【オールカマー/危険な人気馬】“ターボエンジン全開”の逃げで波乱も 秋競馬を占う一戦で「買うべきではない」一頭とは | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【オールカマー/危険な人気馬】“ターボエンジン全開”の逃げで波乱も 秋競馬を占う一戦で「買うべきではない」一頭とは

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【オールカマー/危険な人気馬】“ターボエンジン全開”の逃げで波乱も 秋競馬を占う一戦で「買うべきではない」一頭とは
  • 【オールカマー/危険な人気馬】“ターボエンジン全開”の逃げで波乱も 秋競馬を占う一戦で「買うべきではない」一頭とは

今週は中山競馬場で第67回・オールカマー(GII、芝2200m)が行われる。前走の宝塚記念では3着に敗れたものの、破竹の6連勝でGI大阪杯を制したレイパパレ。初の関東遠征となるがGIIとなるここは負けられないところ。グローリーヴェイズは前走のクイーンエリザベス2世Cで2着に好走するなど国内外で活躍している。新馬戦以来となる中山競馬場にはなるが秋の飛躍に向けここは落とせない一戦だ。その他、ヴィクトリアマイル2着のランブリングアレー、中山適正が高いウインマリリンステイフーリッシュなども虎視眈々と狙っている。

ここではオールカマーの歴史を基に、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてグローリーヴェイズを取り上げたい。

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■香港ヴァーズ覇者グローリーヴェイズの明と暗

まずは、グローリーヴェイズの近4走について考察する。

宝塚記念17着大敗後の一戦となった4走前の京都大賞典は、3カ月の休養明けのレースとなったが、きっちり馬体を仕上げてきてマイナス体重でレースに挑んだ。ダンビュライト、ステイフーリッシュなど強力先行勢が前を行くなか、道中5番手に構え直線に入ると上がり34秒5の持続性のある末脚でキセキらの強襲を封じ、勝利した。三冠馬が3頭出走し、歴代最高レベルとも言われた3走前のジャパンCでは、キセキが大逃げを仕掛ける中、2番手で競馬を進めて直線ではキセキを交わしにかかるも外から来た三冠馬勢に飲み込まれ5着に惜敗した。

年明け初戦の前々走金鯱賞は少数頭の競馬となったが、これまで通り3番手につけ先行し、直線は脚を伸ばすもなかなか前を捉えることが出来ず、ギベオンやポタジェら格下相手に惨敗した。そして前走のクイーンエリザベス2世Cは、大外枠からスタートし、終始外々を回る形となったが直線に入っても脚色は鈍ることなく差し脚を伸ばし、ラヴズオンリーユーには敗れたものの2着に好走した。

戦歴からも「豊富なスタミナがあり、持続性のある先行力を武器に好走している」と評価することも出来る。これまで勝利したのは直線が平坦な「シャティン」「新潟競馬場」「京都競馬場」だった。一方、惨敗したレースはいずれも「阪神競馬場」「東京競馬場」「中京競馬場」などといった、最後の直線で急坂が待ち受けている「スタミナ×パワー」が求められる競馬場で敗退してしまっている。

今回は2歳新馬戦以来となる中山競馬場でのレースとなるが、美浦所属にも関わらず、これまで一貫して中山競馬場を使わなかった事や、鉄砲の成績が【1-1-0-4】と振るっていないあたりに疑問視する要素も増えたことになるのだ。

■“ターボエンジン全開”の逃げ馬、先行馬多数で不安視される「急坂」

今回出走想定メンバーを見渡すと、レイパパレウインマリリンウインキートスロザムールステイフーリッシュなどといった「強力先行勢」の存在もグローリーヴェイズの不安材料となる。過去には、今や「ウマ娘ブーム」で人気キャラとなっているツインターボが同レースで大逃げ圧勝劇を演じたり、19年スティッフェリオの逃げ切り勝ちなど、有力馬がノーマークだった伏兵馬の逃げに惑わされて脚を使えないケースも多々あるのだ。

グローリーヴェイズは最もライバル視しているであろう、大阪杯を逃げて制したレイパパレをマークしながら競馬を進めることになりそうだが、メンバー的にもレイパパレは2~3番手あたりで競馬を進めそうで、レイパパレを交わす脚に加え、更にその一つ、二つ前にいるロザムールら逃げ馬を交わす脚も備えておかなければならないのだ。

つまり、グローリーヴェイズは休み明けにも関わらず、坂のある中山で先行馬を交わすための「スタミナ」「パワー」「策」が必要不可欠で、同馬に求められてくる好走条件が揃っていないため、「勝ち切る」ということに関しては高望みできないのだ。

■馬券の妙味を考えると最終結論は「消し」

ここまでグローリーヴェイズに関する不安要素を紹介したが、国内外で活躍する香港ヴァーズの覇者が秋の飛躍に向けここに出走してくれたことに敬意を表したい。

ただ、馬券の妙味を考えると、ここは「消し」の評価。

本命はレイパパレ。前走宝塚記念では、国内最強馬クロノジェネシスに差された上に、逃げたユニコーンライオンを差し切れず3着に敗れてしまったが、6連勝で大阪杯を制した勢いは本物で、元々凱旋門賞に登録していただけに、ここを勝利して国内外で飛躍してほしいところ。対抗はランブリングアレー。前走こそ快速牝馬グランアレグリアの鬼脚に屈したが、厳しいローテの中で格上馬相手に好走したのは成長の証し。中山競馬場は2走前に中山牝馬Sをハナ差で制しているなど「中山での非根幹距離」の適性も抜群。ヴィクトリアマイルからのローテも【1-0-0-0】(17年ルージュバック)と好走パターンに当てはまっており、アタマまであっても良い。

以下、押さえでウインマリリンウインキートスロザムールとする。ロザムールは前走七夕賞でも逃げて好走したが、中山牝馬Sでも逃げてハナ差の2着。「逃げてこそ」がスタイルのこの馬にとってレイパパレなどの先行勢は強敵になるだろうが、そんな先行勢がグローリーヴェイズら差し馬に気を使っている間に知らぬ間の逃走劇があっても良い。この馬の”ターボエンジン全開の逃げ”に期待したい。

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文・西舘洸希(SPREAD編集部)

《SPREAD》
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