【eスポーツ】プロゲーマーたぬかな 人生の“やりこみ”要素 vol.2「コロナ禍のプロ活動とプライベート」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【eスポーツ】プロゲーマーたぬかな 人生の“やりこみ”要素 vol.2「コロナ禍のプロ活動とプライベート」

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【eスポーツ】プロゲーマーたぬかな 人生の“やりこみ”要素 vol.2「コロナ禍のプロ活動とプライベート」
  • 【eスポーツ】プロゲーマーたぬかな 人生の“やりこみ”要素 vol.2「コロナ禍のプロ活動とプライベート」

対戦格闘ゲーム「鉄拳」のシーンでプロとして活躍するたぬかな選手。プロゲーミングチーム「CYCLOPS athlete gaming」に所属し、「Red Bull」アスリートとしても精力的に活動しているプロゲーマーたぬかな選手インタビュー、その続編では、コロナ禍での活動の変化や趣味について聞いた。


【独占インタビュー・前編】プロゲーマーたぬかな 人生の“やりこみ”要素 vol.1「女性プレイヤーの苦悩を乗り越えて」


■コロナウィルスの影響で変化したプロ活動


―現在の活動についてお聞きしたいのですが、昨今のコロナの影響によりオフラインでの大会やイベントなど開催できない状態になっているかとは思うのですが、何か変化はありましたか?


今はやっぱりオンラインでの活動がメインになっています。私がプレイしている「鉄拳」は最近アップデートが入ってネット対戦の環境が良くなり、オンラインでの大会も行われているので、そこは問題なく活動できています。ただやはり、オフラインの大会はまったく行われていないので、大会自体の数は減っていますね。


ただ、コロナの影響でゲーム業界的には良い方向に進んだ部分もあって、やっぱりゲーム自体を買ってくれる人が増えてゲーム人口自体も増加してるんですよ。今までゲームをやってこなかった人でも、「どうぶつの森」や「リングフィット アドベンチャー」のようなカジュアルなゲームから入って、そこからいろんなゲームに手を出し始めて格闘ゲームにハマっていったりするケースもあるので。なので、悪い部分だけではないと感じますね。


■「私自身、配信に向いてない」


選手活動の中には大会に出場する以外にも、メディアなどの露出を含めたさまざまな活動が存在する。その中の一つである個人での配信について、たぬかな選手は自身を「配信に向いてない」と分析する。


―その他の活動ですと、個人配信にも力をいれていますよね。


そうですね。プラットフォームも「Mildom」に移ったりと、いろいろと活動しています。ただ元々配信自体があまり好きじゃないというか……向いてないんですよ。プロになってからも1カ月に一回したら良いほうだったんです。このコロナの状況でお仕事自体も減っていくなか、そんなこと言っていられないんですけど。


―向いていないというのはなぜですか?


私、ちょっとした視聴者のコメントとかで怒ったりしてよく炎上するんですよ(笑)。 


―(笑)。


配信のコメントで悪口言われると、「出てこいやお前!」みたいなこと言っちゃって。だから多分向いてない(笑)。


―でもそれはそれで、ズバッと言うキャラクターが人気になる可能性もありますよね。


ただ、それに関して会社の方にクレームが入ったりするんですよ。ちょっと私の言葉選びが良くないんでしょうね(笑)。なんか言われると、つい感情的になってしまって。以前、配信していたら、暴言吐かれてめちゃくちゃキレてしまって……。他の配信者の方は心を無にして流したりするんでしょうけど、どうしても(笑)。


―そこは難しいところですよね(笑)。配信はゲーム以外にもキャンプ配信などされていましたよね?


そうですね。やっぱりコロナが流行ってるなかで、密にならない何か趣味を見つけたいなと思ってたんですよ。YouTubeのキャンプ動画とかはよく見ていて、この機会にソロキャンプに一回行ってみたらすごく楽しくて。


自然を感じるのもそうなんですけど、キャンプで食べるご飯がすごくおいしい(笑)。あとは配信のコンテンツとして需要もあって視聴者もゲームしてる時より集まるんですよ。


これは理由があって、やっぱり本業のゲームだとコメントとコミュニケーションを取るのって少し難しい部分があるんですよ。ゲーム画面に集中する瞬間があるので。


キャンプとか他のコンテンツだとコメントを拾うのが前提になるので、よりコミュニケーションを取りやすいんですよ。もちろんゲームに興味のある人はそれでも見てくれると思うんですけど、私が求められているのは、格闘ゲームが上手い女の子が普通に生活している部分だと感じているので、視聴者数は仕方ないかなと思っていますね。


■プロゲーマーとして求められるものの変化


あとは最近コロナの影響下で求められているプロゲーマー像も変わってきている気がしています。大会も少ないので強さよりも人気が重要になってきていて、露出を増やすのに自分の配信で人を集めないといけなくなってきていると思うんです。場合によっては、現在大会が少ないので、プロ契約を切られたりという話も聞くので。


なので、いろんなコンテンツで人を集める必要があるのかなと。鉄拳のプロゲーマーのノビさんって方がいらっしゃるんですけど、普段は鉄拳の配信なのに人が集まるから、からあげを作ったりしてて(笑)。


なので全体的にプロゲーマーというよりストリーマーに近い活動が求められてきてると感じますね。


■ゲーム以外からも垣間見える趣味のやりこみ


―先ほど新たにキャンプが趣味になりつつあるとお聞きしましたが、他にもミニチュアクラフトが趣味とお聞きしました。


そうなんです。もともと美術系が得意で、高校も建築科に通いその後も設計士として働いてたんです。その時にドールハウス、いわゆる建築模型を作るんですけど、その練習として作り始めたのがきっかけで。これが最初に作ったミニチュアの部屋ですね。


「バルサ」っていうカッターで切れる柔らかい木材があるんですけど、それを加工して絵具で塗装してミニチュアの家具を作ったり、100均で買ったスタッズをドアノブとして張り付けたりして作っています。これを玄関とかに飾ったりしていますね。


あと普段の生活で全然使わないのに、プラスチックを変形できる真空成形機とか買ったり(笑)。


―かなり本格的ですね。


実は私、メルカリでオーダーとかも受けたりしたことがあって、そのオーダーでスーパーに売ってるパックに入ったお寿司のミニチュアを作って欲しいと言われたんですよ。そのパックを作るためにこれは使いました。これがその時のお寿司ですね。おまけでお味噌汁もつけてあげました。


これはすごい寿司の質感にこだわったんですよ。透ける粘土っていうのがあるんですけど、それで光沢を出したり、それに色つけたり。乾燥させると色も変わるので、何パターンも用意して作りましたね。あと、このオーダーをくれた人が、「アジの握りを一ついれてください。薬味ものせて」って注文してきて(笑)。それで作ってたのがこれですね。


他にも焼き鮭と卵焼き、おにぎりとたくあんとかも。


卵焼きにはねぎ入れてみたりだとか、おにぎりのやつはちゃんと縛れるようになってます。


―こういうのはやはりストレス発散になっていたりしますか?


そうですね。ゲームの合間にやると、やっぱりリフレッシュになりますね。使う脳みその部分が違うと思うんですよ。ゲームにしてもミニチュアを作るにしても、同じ手を使うことなんですけど、指先を使うのはクラフトならではなので、すごく脳が活性化されてる感覚はありますね。


―こういった趣味の部分やゲームに関するお話を伺うと、興味をもったことにはかなり行動的ですよね。


やっぱりどんなことも、行動に移すまでが大変だったりするじゃないですか。そこをサクッと始められるのは自分の良いところかなと。なんでも、とりあえずやってみよう精神というか。あとはゲームもそうですし、趣味もなんですけど、人が楽しそうにやってることを自分もやりたくなるっていうのはありますね。


■選手活動にとどまらないたぬかな選手の今後の展望


―最後に今後の活動について一言お願いします。


これまで以上に配信に力をいれていく予定です。たぶん私は、キャンプに力を入れていく形になっていくかもしれないんですが(笑)。それが趣味も実益も兼ねているので。


大会もなかなか数が少ないので、今度は自分が主催する側に回ってみようかなと考えています。あと以前から徳島でeスポーツチームを作るという目標があるんですが、そのオーディションとかプロデュース業もやってみたいなと思っていますね。コロナで大会がないぶん、裾野を広げる活動もしていけたらと思っています。


プロゲーマーとしての考えから意外な趣味の一面まで、包み隠さず笑顔でインタビューに応えてくれたたぬかな選手。彼女のキャラクター性やプロゲーマーとしての信念は女性プロゲーマーの指針となっていくことだろう。




文・SPREAD編集部


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