男子テニスのシーズン最終戦『ATPワールドツアー・ファイナルズ』は11月13日に4日目が行われ、世界ランク1位のラファエル・ナダル選手が、同ランク4位のダニール・メドベージェフ選手にセットカウント2-1で勝利した。
最終セットではゲームカウント1-5まで追い詰められたナダル選手だが、そこから奇跡的な逆転劇を演じ、準決勝進出に望みをつないだ。
1000回に1回の大逆転勝利
ナダル選手は第1セットを6-7で落としたが、続く第2セットは6-3で取り返して挽回。第3セットでは1-5まで追い詰められマッチポイントも握られたが、そこからタイブレークに持ち込み大逆転勝利を収めた。
試合後のナダル選手は「1000回やって1回勝てるかの試合、それが今日でした。このような試合を落とすのはつらいことです。ダニールを気の毒に思います。彼はグッドガイですし、自分が行ってきたことに自信を持ってもらいたいです」と勝利を喜びながら、対戦相手のことも讃えた。
ASTONISHING FROM RAFA NADAL
Down 1-5 in the third set, @RafaelNadal saves a match point & completes a sensational comeback at the #NittoATPFinals!
: @TennisTV pic.twitter.com/1bk5DYBTPs
— ATP Tour (@atptour) November 13, 2019
ラファエル・ナダルが語ったメンタルコントロール術
見事な大逆転勝利を果たしたナダル選手だが、世界中のファンにはどうやって逆転したかではなく、敗北の瀬戸際に立たされたときの振る舞いこそ見て欲しいと要望した。
「今日だけの話ではありません。もちろん逆転するためには、そこで戦い続けなければなりませんが、物事が上手くいかず最終セットで1-5のリードを許しているような状況でも、ラケットを壊したり、自制心を失ったりしないことのほうが私は重要だと思います」
ナダル選手は自身のミスから第3セットを始め、失望したように首を横に振った。そうした思いどおりにいかない状況を受け入れることも大切だと説く。
「ポジティブなままでコートに残り、相手が自分よりも少し上手にプレーしていることや、自分はそれほどでもないことを受け入れるのが大切です。なぜならフラストレーションというものは、自分を過信するあまり、ミスを認めないことで溜まっていくからです。私が人に伝えられる唯一のことです。誰にでも間違いを犯す可能性はあります。間違いを受け入れましょう。それしかありません」
Life Lessons
pic.twitter.com/tlhbayfaiy
— Rafa Nadal Academy by Movistar (@rnadalacademy) November 14, 2019
ラファエル・ナダルの年間ランキング1位が確定
ATPワールドツアー・ファイナルズでは14日に5日目が行われ、ナダル選手と世界ランキング1位を争っていたノバク・ジョコビッチ選手が、ロジャー・フェデラー選手に敗れた。
これによりジョコビッチ選手のラウンドロビン敗退が決まり、ナダル選手が世界ランキング1位で今季を終えることが確定した。
ナダル選手が年末の世界ランキングで1位に立つのは2008年、2010年、2013年、2017年に続き2年ぶり5度目。33歳での年末1位は、現行のランキング制度が開始してからの最年長記録となる。
参考:https://www.atptour.com/en/news/nadal-nitto-atp-finals-2019-wednesday-reaction