Bリーグの中でも激戦地区である、東地区。中でも2019-20年シーズン注目のチームはサンロッカーズ渋谷だ。
2019-20年シーズンからは、若いながらも代表選出経験もあるベンドラメ礼生選手を新キャプテンに抜擢。選手層も大きく入れ替わり、今まさに生まれ変わろうとしている。
変革期を迎えたチームで、ベンドラメ選手は新キャプテンとしてどのようなチームを思い描いているのか。話を伺った。
プロフェッショナル軍団として そしてそれを率いるキャプテンとして
――2019-20年シーズンからキャプテンに就任されました。ベンドラメ選手にとって、『キャプテン』とはどういう役割だと捉えていますか?
ベンドラメ礼生選手(以下敬称略):「キャプテンは、高校や大学までは“沈んでいる選手に声を掛けて盛り上げる”とか、“選手のモチベーションを上げる”というイメージでした。でも僕の思うキャプテン像というか、プロチームのキャプテンとしてみんなに求めていることは、『自分自身をマネジメントする』ことです。自分自身をコントロールしてもらわないと強いチームにはなれないと思うんです。キャプテンが言わないと動けない選手がいるようでは、上には行けないので」
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撮影:戸嶋ルミ
ベンドラメ:「キャプテンだからこうする、とかそういうことはあまり考えないようにしています。もちろんチームのことは考えていますが、選手一人ひとりにキャプテンシーというかリーダーシップを発揮してチームを引っ張っていく気持ちを持ってほしいということは伝えています」
キャプテンという役割よりも、“一人のプロ選手として・強いチームを作っていく選手の一員として”すべきことをこなし、上を目指していきたいというベンドラメ選手。
同じ「キャプテン」という役割でも、プロスポーツと学生スポーツとの違いについての意見は考えさせられるものがある。
鍵になる「コミュニケーション」
――キャプテン就任時のコメントで「コート内だけでなくコート外でもチームメイトとコミュニケーションを取っていきたい」というものがありました。具体的にはどんなコミュニケーションを取っているのでしょうか?
ベンドラメ:「“みんなとの時間を多く過ごす”ということですね。一緒に食事に行ったりとかでしょうか。私生活の何気ない仕草とかを見ていくうちに、試合中にアイコンタクトだけで何かができちゃったりするんですよ。なので、一人でも多くの選手と時間を過ごしていきたいですね」
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撮影:戸嶋ルミ
――2019-20年シーズンは石井講祐(前・千葉ジェッツふなばし)選手や、田渡修人(前・三遠ネオフェニックス)選手など、他チームで活躍していた選手の加入が注目されています。新しい仲間と共に、どういうカラーのチームを作っていきたいですか?
ベンドラメ:「今年のチームとして『ディフェンスを徹底しよう』というテーマがあって、ディフェンスから流れを作っていけるチームにしていきたいですね」
「新しい選手の加入によってアウトサイドの力も付きましたし、ポイントガードとしてはそこらへんをしっかり活かせるようにしていきたいと思っています」
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撮影:戸嶋ルミ
ベンドラメ選手はとても穏やかで優しい語り口調ではあったが、芯の強さや、プロスポーツ選手としての矜持というものを強く感じられた。
このキャプテンとともにチームが大激戦地区をどう乗り越えていくのか、非常に楽しみである。
≪写真・文:戸嶋ルミ≫