【THE INSIDE】5 月の高校野球、それぞれの過ごし方…夏を目指して頑張る高校球児たちへのメッセージ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE INSIDE】5 月の高校野球、それぞれの過ごし方…夏を目指して頑張る高校球児たちへのメッセージ

オピニオン コラム
強豪校対決となると、練習試合でも緊張感がある
  • 強豪校対決となると、練習試合でも緊張感がある
  • 5月は全国各地のグラウンドで試合が行われている
  • グラウンド整備の大事さも試合を通じて学んでいく
  • グラウンド脇にはウェイトトレーニング器具のあるところも
  • シートノックも本番を意識して行われる
  • それぞれの学校でのグラウンドのネット裏は工夫がされている
  • ネット裏には、熱心な父母やファンが足を運ぶ
  • 試合後のミーティングはことのほか大事
今年の夏の全国高校野球は第100回大会となる記念大会だ。5月の連休が明けると、そんな盛り上がる夏の大会本番まで、全国各地の高校球児たちにとっては、2カ月から2カ月半の先を見据えていく大事な時期となる。

毎年のことではあるが、この時期は全国各地では県大会を勝ち上がっている代表校による地区大会が開催される季節でもある。ただ、多くの学校はここから6月にかけて、それぞれの思いでチームを強化して夏本番へ向けて準備を進めていく大事な時期にもなる。

高校野球をやれる期間というのは、現実には2年と5カ月というさほど長いとは思われない。そんな時間の中で各学年の選手たちは、それぞれの思いで野球に取り組んでいく。その姿勢が顕著に表れる時期でもある。

1年生はフレッシュな気持ちで夢と希望を抱いて入ってきた一方で、いささかの不安も抱いていたはずである。1カ月を過ごして、そんな不安と期待が少しずつ形を変えていく時期でもある。「何とか、やっていけるかな…」そんな小さな自信と実感を掴んだ選手も多いのではないだろうか。

もちろん、中には中学時代から注目を浴びて鳴り物入りで入学してきて早々の春季大会で起用されて試合経験も積んでいるという選手も少なからず、いなくはないだろう。ただ、多くの普通の選手は、ようやく高校生として学校生活にも部活動に慣れてきて、少しの余裕も出てきたところである。また、思い描いていた理想とは少し異なる現実を味わう時期でもある。

グラウンド整備の大事さも試合を通じて学んでいく

それでも、新入生のお客さんから部員としてチームに馴染んできて、自分たちもそんな実感を掴んできている時期であろう。また、グラウンド整備やそれぞれの学校内の部としてのルールを確認しながら、覚えていっているという時期でもあるだろう。

2年生は、定位置を掴んでいる選手もいれば、定位置を取れるかどうかという線上にいる選手、あるいは夏の大会の登録メンバーに入れるかどうか、その瀬戸際にいる選手もいるだろう。また、チームとしての自分の位置に、正直悩んでいるという選手もいるかもしれない。有望な1年生が多く入っているところでは、そんな突き上げに焦りを感じている選手もいるだろう。

しかし、自分がこのチームで1年間やってきたのだという自信はあるはずだ。そんな経験値を支えにして頑張っていってほしいと思う。また、この時期には悩みながらも、野球の新たな魅力や面白さを発見することもある。

シートノックも本番を意識して行われる

進学校にいると、この時期から他の生徒が徐々に受験モードに入っていくことが気になってくることもあるかもしれない。そんな迷う時期でもあるが、高校2年生というのは、ある意味では最も青春を謳歌出来る時でもある。そして、チームの中でも確かな自分の立ち位置を見つけたいところである。

3年生になると、チーム内での自分の役割もはっきりしてきている。選手として大会を意識して日ごとに緊張感が増していく気持ちもさることながら、「このチームで自分が何をするのか」という問題提起の結果も表せるときである。長いようであっという間だったと感じている選手もいるかもしれない。

しかし、いずれにしても、悔いのない高校野球の終わり方へ向かって、あと2カ月をどう充実して過ごして怒られるか。そのことに集約されていくはずである。

また、周囲の期待や思いも、しっかりと受け止められるようにもなってきているであろう。
その一方で、自分自身の将来ということも、しっかりと見つめていく時期にもなる。野球で進路を作っていくのか、どのような形で野球と関わっていく選択をするのか、そんなことにも思いを馳せることもあるであろう。

いずれにしても、悔いのない夏、悔いのないそれぞれの時期を過ごしてほしいと祈っている。我々大人はそんな高校球児たちの姿を見つめて声援を送り、拍手を送りながら、温かく見つめていきたいと思っているのだ。
《手束仁》

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