日本最大級のLGBT関連イベント「東京レインボープライド2018」が4月28日~5月6日までの間、開催された。
28日、渋谷の「ホテル コエ トーキョー」で同イベントのオープニングレセプションが行われ、元フェンシング日本代表の太田雄貴さんや、トランスジェンダー活動家の杉山文野(ふみの)さんらが登場した。
2016年に開催されたリオ五輪ではLGBT当事者であると表明したアスリートの参加が過去最多となったことを踏まえ、2020年の東京五輪に向けた課題について話し合った。
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トランスジェンダー活動家の杉山文野(ふみの)さん
なぜ、リオ五輪でLGBT当事者であると表明したアスリートの参加が過去最多になったのか
杉山さんによると、聖火リレーでゲイカップルがキスをしたシーンや男子競歩イギリス代表のトム・ボスワース(Tom Bosworth)選手の、同性パートナーとの公開プロポーズシーンがリオ五輪である種パフォーマンス的に起こった理由の一つは、「オリンピック憲章が変わったこと」にあるという。
オリンピック憲章の第6章は差別禁止の規定ではあるが、2014年から「性的指向による差別の禁止」が明記されたのだ。
また、杉山さんによると、「スポーツに関わる経験(部活動、体育、更衣室など)で嫌な思いをしたLGBTの方は非常に多い」という。だからこそ、アスリートのカミングアウトは「パワーカミングアウト」と呼ばれ、強い影響力を持つ。
太田さんが「ある日目を離した瞬間」杉山氏が「男子選手」になっていた
ちなみに、杉山さんと太田さんは、20年以上の付き合いになるという。太田さんが杉山さんに出会った当初、杉山さんはフェンシングの「女子」選手だった。
最終的にフェンシングの日本代表チームまで登りつめた杉山さんは、太田さん曰く「男子を束ねるリーダーシップのある女子選手」だったという。
ところが、太田さんが「ある日目を離した瞬間」杉山さんが「男子選手」になっていたのだとか。
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元フェンシング日本代表の太田雄貴さん
「僕がLGBTへの理解を持てたのは、文野(杉山文野)との出会いが大きい。ショック療法というか。時間が経つと馴染みましたけれど、文野に変えられたんだな、と思います」(太田さん)
この日イベントに登壇した元サッカー女子日本代表の丸山桂里奈さんも「中学時代に幼なじみからトランスジェンダーであることを打ち明けられた経験がある」からLGBTに理解を持てたと明かしたが、やはり身近な存在にLGBTであることをカミングアウトした人がいるというのは、同問題に関心を持つきっかけとして大きいようだ。
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元サッカー女子日本代表の丸山桂里奈さん
2020年の東京五輪が、リオ五輪の影響を受けてLGBT当事者、そして社会に対してどういった場所になっていくのか、注目される。
《大日方航》