様々な特徴はありますが、ほとんどのセットメニューにコメがついてくることは驚き。フィリピン人のコメ好きは日本人のそれを遥かに凌駕している気がします。フィリピンではマクドナルドすらセットメニューはコメです。
僕はコメが大好きなので嬉しいですが...。というか、こっちに来てフィリピン人のコメに対する愛情を見てからはじめて疑問に思いましたが「そもそも日本人は本当にコメ好きなのか?」という問題。
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調べてみましたが驚きました。FAO (Food Agricultural Organization)の2011年の発表によると、一人あたりの年間コメ消費量は、日本人は50位。「世界的にはまぁ好きな方」というレベルであって、コメを愛している、ということは数字的に難しそうです。
おそらく古来よりのコメに対する信仰から、コメ好きのイメージが強いのだと。
以下、株式会社神明の日本米・日本文化の情報サイト「& JAPAN RICE」より引用させていただきます。
“日本では、古くからお米づくりをつかさどる田の神の存在が信じられてきました。(中略)お米づくりの過程ごとにさまざまな儀礼やお祭りを行ってきました。
日本に伝わる伝統芸能には、稲のお祭りから発展したものがあります。田楽は、田植えの前に豊作を祈る「田遊び」から発達したといわれ、おはやしや歌、踊りでお米づくりを表現しています。
日本の国技とされる相撲も豊作を祈る目的で奉納されました。相撲の土俵入りなどの際に「しこ」を踏む動作がありますが、これは大地を踏むことで害虫や厄などの災いを追い払い、豊作をもたらす田の神の力が消えないようにするという意味があったとされています。”
ちなみにフィリピンの複数のレストランには「アンリミテッドライス」というメニューがあり、無限に米が食べられます。僕もチキンが美味しくて有名なイナサルというファーストフード店に行ったときは、アンリミテッドライスメニューを注文しました。文字通りライスが無限に食べられます。
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とある政治家の一人はこのコメの摂取量を制限しようという政策を掲げ、大炎上しているらしいです。
話は戻りますが、ジョリビーがなぜここまでの人気を獲得しているのか。ここまで一つのファストフード店が無双している国は、他にはないのでは。
人気だというチキン1ピースとコメ、ジュースのセットが90ペソ(約200円)。ジョリビーの経営戦略で特筆すべきはフィリピン生まれということもあり、徹底したローカライズ戦略を採用しているところ。
セットメニューにコメがついてくるということは勿論、バナナケチャップを使用したフィリピンスパゲティ(61ペソ、約134円)は日本人からすると結構甘い。チキンにかけるグレービーソース(調理された肉から出る肉汁を元に作られたソース)もやはり甘い。全体的にフィリピン人好みの甘い食事。
味だけではなく、もはや国民のアイデンティティ、文化の一部ですらあります。ジョリビーの公式ホームページにも記されてあるように、ジョリビーの広告、CMは基本的に家族や子ども向け。家族を何よりも大切にするフィリピン人にはぴったり。
そして彼らは子どものときから家族の誕生日をジョリビーで祝うなどの習慣がインプットされています。あるフィリピン人の友達によると、何かよいことをしたときのご褒美としてジョリビーが存在するそうです。彼らが大人になったときは、子どもをジョリビーにご褒美として連れていきます。
基本的にフィリピン人は海外の企業をひいきにする傾向があると聞きましたが、ジョリビーは例外。ひとつのナショナルアイデンティティなわけです。