ワールドカップ(W杯)出場が決まった瞬間、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は感極まり目頭を押さえた。勝てば6大会連続のW杯出場が決まる大一番。日本はオーストラリアを2-0で下し自力で出場権をつかんだ。
「この勝利を日本国民に捧げたい」と会見で語ったハリルホジッチ監督。最終予選はUAEに1-2で敗れ、まさかの黒星発進。初戦で敗れたチームの『W杯出場率は0%』という重いデータを突きつけられながら、この予選は逆風とともに戦い続けてきた。
「批判が始まったときも私はより力強くやってきた。それが私の性格だ」
オーストラリア戦の結果によっては解任もあり得るとささやかれたなかでの勝利。そして、ハリルホジッチ監督にはプライベートでも、この試合を特別なものにする事情があった。
「皆さんはご存じないことですが、この試合の前に帰ろうかと思ったほど大きな問題がプライベートでありました。サッカーとは関係ない問題です」
それでも「私にはこのチームを応援している人への責任がある」と日本に残り指揮を執った。
聞きたいことはたくさんあると思うが私事なので詳細は差し控えたいとハリルホジッチ監督。それよりも「記事を書くべき選手がたくさんいるので、選手のことを書いてほしい」と報道陣に求めた。
「本日、皆さんが拍手で迎えてくれたことは忘れません。たくさんのことが消えるかもしれないが、この拍手のことは忘れません。スミマセン アリガトウゴザイマシタ」
《岩藤健》
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