【小さな山旅】びわとマッタリホルン…千葉県・伊予ヶ岳(1) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】びわとマッタリホルン…千葉県・伊予ヶ岳(1)

オピニオン コラム
房総のマッターホルン・伊予ヶ岳の山容。
  • 房総のマッターホルン・伊予ヶ岳の山容。
  • 途中の道の駅で購入した「びわ」。
  • 伊予ヶ岳の展望台から。富山。
  • 東屋から先は、ロープ場が続く。
千葉県は南房総市にある伊予ヶ岳。この山は、低山のメッカである千葉県内において、「房総のマッターホルン」という異名を持ち、唯一「岳」の名が付く山である。

マッターホルンといえば、アルプス山脈の鋭鋒で標高4,478mの世界的にも有名な名山。その険しさゆえに、多くの登山家たちがこの山で命を落としている。では、千葉県のマッターホルンはいかに?

こんもりとした形状の低山ばかりが並ぶ房総丘陵において、少々趣が異なる「岩峰」が伊予ヶ岳だ。ゴツゴツした岩があらわになった頂は、迫力満点。山あいの水田地帯に突如として現れるその姿は、異様な風合いを醸し出し、威圧感を発している……のだが、標高はわずか336,6mである。このギャップが、何となく可愛らしい。

とはいえ、低山でも険しい山は険しい。伊予ヶ岳の山頂も、見るからに険しそうである。天神社駐車場から登り始めるといきなりマッターホルン感満載の頂が正面に。この先、険しい登山が待っているに違いない……不安と期待を抱きながら、歩を進める。

だが、実際に登ってみると、頂上直下の東屋(展望台)までの登山道は、いたって安全な登山道。暑い時期に登ったので、息が切れて汗はしたたり落ちるものの、険しさを感じることはない。意外や意外、マッターホルンならぬ、マッタリホルンである。

しかし、マッタリできるのもそこまでのようで。東屋には「登山道はここまで。この先危険」的な内容が書かれた標識が。厳しい登りを予期して、東屋で早めの休憩をとることにした。

伊予ヶ岳の展望台から望む富山

展望台から景色を眺めると、眼前には南総里見八犬伝で有名な富山(とみさん)の姿が。欲張れば、伊予ヶ岳登山後にこちらも登ることができるそうだ。

東屋では道の駅で買った弁当を食べ、地域の特産品でもある「びわ」を食す。ああ、なんとマッタリ、なんと「びわ」がうまいことか。

ホルンのような丸みを帯びた形状の「びわ」の味は、とろけるようなマッタリとした味わいであった。
《久米成佳》

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