チームの地元、千葉県浦安市のファンたちは試合前に「翔太コール」で出迎えた。その声に応えた星は、復帰戦となったヴォスクオーレ仙台戦で決勝弾を放ち、自身の足で試合を盛り上げた。
試合後、星に会うと「すごい緊張した」と胸をなで下ろした。7カ月のブランクはあっても、ファンの声援とチームメートたちの力でなじむことができたという。試合は星が後半のシュートでネットを揺らし、4-3でバルドラール浦安が勝利している。
「ゴールを決められるかは別として、得点には絡めるんじゃないかと期待は練習からの感覚でありました。最終的に自分がゴールを決めて勝てたというのは、この7カ月間(リハビリを)頑張ったご褒美かな。もちろんチームメートのパスがなければゴールは決まらなかったので、そういった部分もチームメートが僕のことを信頼してくれたからだと思います」
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星翔太選手(バルドラール浦安)
笑顔を見せる星は「浮つかず、粛々と受け止めて、喜んでいます」と続ける。昨年5月末に右足の前十字靭帯を断裂し、選手登録を抹消された。2015年もグロウインペイン症候群(鼠蹊部痛症候群。サッカー選手に症状が出ることが多く、股関節周辺が痛む)で長期離脱。二度の大ケガを乗り越えただけに、試合でボールを蹴ることができる喜びを噛み締める。
2017年は全試合出場を目標に掲げるが、「いや、これはまだいけないですね」と苦笑い。
「やっぱり(まだ足の状態は)5割ぐらい。試合に入っても疲労度は違いますし、強度的にも相手は2試合負けなし、ハードワークするチームだったのですごく苦しみました。復帰戦としてはいい試合、強度もちょうど良かったけど、自分の体力はまだまだだなって。ここからうまくリカバリーとトレーニングを積んで、試合に照準を合わせたいと思います」
体力的なことに加え、「人混みに行くのが(ケガをした)右足だと怖いな、というのは少しある。そこは練習で拭っていくしかないですね」と不安も見せる。
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転んでもすぐ走り出す星翔太選手
星はリハビリ中に株式会社エードットでインターン活動を開始。現役選手でありながら、スポーツと社会の関わりを考え、人材育成プロジェクト『Playing Worker(プレイングワーカー)』を始動させた。
今は最低週3回のトレーニングに加え、週2回は出社して10時~19時まで打ち合わせや資料作成、営業をこなす。2017年の星はフットサルプレーヤーと社会人、二足のわらじで活動し「人間としてFリーグにどんどん貢献したい」と意気込む。
「(二児の)父親もやっているので、三足のわらじです」
2020年開催予定のフットサルワールドカップ出場も目指す星。これからの活躍に注目したい。