茨城県に日本有数のロングライドコース…サイクリストを引きつける提案に期待 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

茨城県に日本有数のロングライドコース…サイクリストを引きつける提案に期待

スポーツ 短信
背景に見えるのが筑波山
  • 背景に見えるのが筑波山
  • 霞ヶ浦周辺には店頭にバイクラックが置かれ、空気入れやトイレを貸してくれるサイクルステーションが点在する
  • ガーミン社製のGPSで実走データを取得。やはり果てしなく平たんだ
  • しまなみ海道の名物「はっさく大福」
  • 11月末ながら気持ちよく晴れ渡ったのでクルーズ船のデッキは最高の気分
  • 遊覧船にスポーツバイクを積んで対岸へ。交通量の少ない湖岸を愛車で思いっ切り走れる
  • 船内は快適。水上は冷えるのですがひざ掛け毛布を貸してくれる。みんな早く走りたいのか、ヘルメット装着のままだ
  • 船内デッキはこんな感じ。仮設バイクラックのバーがちょっと高めで宙に浮いてしまうときは、ブレーキレバー部を引っかけると後輪が接地するので安定する。ハンドルバーが低いときは一度前輪を外す必要があるのだが
茨城県はサイクルツーリズムによる観光客誘致に熱心で、従来からあった「つくばりんりんロード」と「霞ヶ浦自転車道」を接続し、全長81kmのコースを完成させた。こうした環境整備を進めるが、多くのサイクリストを満足させるにはさらなる努力が必要だ。

東日本大震災によって減少した観光客を取り戻すために、同県が各市町村と協力して自転車愛好家が気持ちよくサイクリングできる環境作りを進めている。瀬戸内海の大きな橋をめぐる「しまなみ海道」が西の横綱なら、東の正横綱を目指した取り組みだ。

茨城県は首都圏からのアクセスもよく、交通量の少ないのどかなルート、山岳の要素が強いコースなどが自由に取れるのが強みだ。

霞ヶ浦の湖岸から筑波山を臨む

筑波山のふもとに筑波鉄道の廃線跡地を利用した全長40.1kmのサイクリングコース「つくばりんりんロード」がある。さらには一周140km、ショートコースで90kmもの湖岸道路が整備された霞ヶ浦がある。

その両者を結ぶために、土浦市の市街地に自転車道路を整備し、最北端の桜川市と最南端の潮来市を結ぶロングコースが誕生した。交通量の多い土浦市街ではこれまで渋滞する車の横をすり抜けるような走りが余儀なくされたが、これによって安全で快適な走行が実現できたのである。

しまなみ海道と異なる点があるとすれば、そこを走ってみたいという人為的な動機付けだ。大自然の景観は筑波山や霞ヶ浦も素晴らしいが、「おいしいものを楽しむスポットがない」と現地を訪れたサイクリストが証言していた。もちろんガイドブックには地元特産物が数多く掲載されているが、それがサイクリストにささるとは限らない。しまなみ海道の「はっさく大福」とか「塩アイス」のようなものが求められるのだ。

自転車サポートステーションと呼ばれる施設がこのエリアには随所にあって、コンビニや飲食店、道の駅、ガソリンスタンドなどが協力し、そこにはスポーツバイク用ラックが置かれ、トイレ・空気入れ・簡易工具が自由に使える。ただし今回訪問したステーションでは店頭のバイクラックだけが確認できたが、空気入れや工具があることを伝えるものはなかった。

霞ヶ浦周辺には店頭にバイクラックが置かれるサイクルステーションが点在

コースはまったくの平たん路で単調。それだけに罰ゲームか修行のような走りを余儀なくされるので、ところどころに甘味やスイーツがあるとモチベーションアップになる。日帰り可能な自転車パラダイスだけに新鮮な魚を肴に飲もうというところでもないので、関東エリアのサイクリストが興味を引かれるような提案が待ち遠しい。
《山口和幸》

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