ガジェット進化が止まらない…山口和幸のツール・ド・フランス日記 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

ガジェット進化が止まらない…山口和幸のツール・ド・フランス日記

スポーツ 短信
新城幸也のメリダに取りつけられたガーミンのサイクルコンピュータとGOPROの車載カメラ
  • 新城幸也のメリダに取りつけられたガーミンのサイクルコンピュータとGOPROの車載カメラ
  • ステージの要所で必要となるパワー数値がハンドルステムに貼り付けられていた
  • トレックチームの選手が使用しているSRM社のパワーメーター。山岳賞カラーは特別仕様?
  • トレックのカンチェラーラが使っているSRM社のパワーメーター
  • カンチェラーラのトレックにはニックネームの「スパルタクス」というロゴネームがペイントされている
  • 全選手がサドル下に発信器を取りつけている。もうちょっとカッコよくならないかな
  • シマノのプロトタイプを投入されることが多いFDJだが、サイクルコンピュータはガーミンのエッジシリーズだった
  • どうやら全コースの状況がプリインストールされているらしい
ツール・ド・フランスの出場選手が使用する最先端機材はその進化が止まらない。効率的なペダリングやパワー出力を数値化してハンドルに取りつけたモニターに表示したり、手首で心拍数を計測する光学式ハートレートセンサーをBluetoothでサイクルコンピュータにリンクさせるなどで最大のパフォーマンスを発揮するために活用されているのだ。

トップチームの多くが採用していたのがパワーモニター界で定評のあるSRM社の最新モデルPC(パワーコントロール)8だ。パワー、心拍数、スピードなどの一般的なデータに加えて、その状況において必要となるパワーを測定できる科学的デバイスだ。

チェーンリングの中にひずみ検出器を装備し、各選手のペダリングを解析。巡行走行、山岳のアタック、ゴール勝負などの場面で想定される数値をモニタリングすることで、身体の感覚に頼らない科学的実績で効率的な走りを目指そうというものだ。ペダリングと車輪に取りつけたスピードセンサー、胸の心拍モニターはANT+でハンドルに取りつけられた本体にデータ送信される。

新城幸也の所属するイタリアのランプレ・メリダはガーミン社のGPS搭載サイクルコンピュータと光学式ハートレートモニターを全選手が使用して、トレーニング時のみならずレースで使用しているという。新城が使っていたのはvivosmart HRという市販モデルで、胸にベルト式のセンサーをつけることなく心拍数がチェックでき、それをハンドル前方につけたサイクルコンピュータにBluetoothで送信する。

また日本のパイオニア製のペダル解析デバイスを採用しているチームもあった。いずれもプロ選手がハイレベルなデータ集積のために活用されるアイテムだが、どれも市販されているので一般のアスリートでも専門知識を習得することでレベルアップが期待できるだろう。

今回のツール・ド・フランスには車載カメラとしてGoProが大会公式機材として参入。連日16台のGoProカメラが出場選手のロードバイクに取りつけられる。第4ステージでは新城のマシンの前方に装備されていた。カメラが収録した動画はゴール直後にGoProスタッフによって改修され、すぐにサルドプレスに持ち込んで動画編集。その日のうちに迫力あふれる動画が公開される。

また出場198選手のサドル下には位置情報を伝えるセンサーが取りつけられ、瞬時に着順などを判断するアイテムとして活用されている。区間優勝争いなどの重要な着順は目視や写真判定によって判断されるが、タイム差なしの大集団ゴール時はこのセンサーが瞬時に記録に反映されるのだ。これらのデータは公式記録のティソ社に送られ、またたく間に取材記者のスマートフォンに記録配信される。

《山口和幸》

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