2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市の気仙沼大島。4月17日に第33回気仙沼大島つばきマラソンが開催され、全国から集まったランナーが被災地の人々とふれあった。
今年で33回目となる伝統ある同大会だが、震災の年とその翌年は中止を余儀なくされた。それでも「また走りたい」と願うランナーの声と、「ぜひ思い出を作りに訪れてほしい」という島の人たちの声に押されて2013年、被災した海岸線の道路をコースから外し、高台のルートに変更して復活した(2012年は別主催者が5月に復興支援ランニング大会「気仙沼大島ランフェスタ」を開催)。
島内ではいまだに不自由な生活を余儀なくされている部分もあるというが、年に一度の大会がこの地域を元気づけ、参加者と地元の人のふれあいの場としてかけがえのない機会となっている。
かつては気仙沼市内から30分ほどで訪問できる島として手軽なレジャーエリアだった。津波により低い場所にあった民宿は押し流されてしまい、現在は比較的高台にある民宿などが営業する。今年は大島に渡るフェリーが一艘減となり、観光地としての将来に暗雲が立ちこめた。その一方で大島と本土をつなぐ大島架橋の建設が準備されているという。
「北海道新幹線が開通して、北海道などからの修学旅行生も増えたんですよ」という民宿経営者。なんの飾り気もない島だが、落ち着いた雰囲気と手つかずの光景が残されていて、のんびりするにはとてもいいところだ。
大会前日の4月16日には、気仙沼つばきマラソン復興支援ゲストランナーでアテネ五輪女子マラソン5位の土佐礼子さん(三井住友海上火災保険)によるランニング教室が気仙沼大島で開催。市内の小学生がフェリーに乗って島を訪れ、走り方の指導を受けた。
《山口和幸》
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