1964年の東京パラリンピックでは、一般客は会場に入場できなかった。日本選手のほとんどはリハビリ中の患者だったという。一方、欧米諸国の選手は当時から自立したアスリートであり、車椅子に乗りながら銀座、浅草に買い物へ行き、ボランティアの人々が慌てふためいたという記録が残っている。
あれから56年。2020年の東京パラリンピックの目標は、すべての会場を満員にするということだ。どうすれば満員にすることができるのか。
「福祉のイベントとしては、新国立競技場は満員にならない。オリンピックと同じように、スポーツイベントとして楽しむことができるか。海外の選手と戦って、日本の選手が勝てるかどうか。人間の限界までのプレーを間近で見たくなるかどうか。そういうことだと思います」と渡部氏は話す。
「2020年になって初めて、障がい者スポーツを見るようではすぐにスポーツとして認識してしてもらうことは難しい。まずは2016年のリオパラリンピックをまずは見てもらうことが大事なんです」
《大日方航》
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