東京マラソン2016プレスカンファレンスが2月26日、東京都内で開催された。第1部では車いすマラソン招待選手の記者会見が行われた。
車いすマラソンには、海外の有力選手も招待されている。現在8連覇中で東京マラソンでは負け知らずの土田和歌子(東京・八千代工業)の強力なライバルとなるであろう、タチアナ・マクファーデン(米国)の存在が注目されている。
2015年のボストンマラソン、ロンドンマラソン兼世界選手権、シカゴマラソン、ニューヨークシティマラソンを制し、まさに脂が乗っている選手だ。
旧ソビエト連邦のレニングラード、現在のサンクトペテルブルグで生まれたマクファーデン。生まれつき脊髄披裂で下半身麻痺だった。生みの母親に孤児院に入れられ、その孤児院も高価な車いすを彼女に提供できなかったため、最初の6年間は這って移動するしかなかったという。
転機が訪れたのは、米国保険局の身体障害者理事のデボラに出会ったことだった。デボラに連れられて米国ボルモチアに引っ越し、8歳から車いすレースに参加するようになった。そんなマクファーデンは、「昔から東京でマラソンをしたいと思っていた」という。
「空港に着いた時から歓迎され、東京にいい印象をもっている。東京マラソンは他のマラソンレースを引っ張るレースになると思う。障害者のマラソンがメジャーに、エキサイティングになっていく」
レース本番に対しては、「いい準備ができている。12月から沢山走って、体力、技術を上げてきている」と強気の姿勢だ。
「東京マラソンでぶつかる選手たちとはパラリンピックでまた走ることになると思うので、今の私のレベルを知るいい機会になる」
さらに「リオパラリンピックでは初めて7種目に出場する選手になりたい」と発言し、会場をどよめかせた。7種目とは、100m・200m・400m・800m・1500m・フルマラソン・リレーのことだ。
《大日方航》
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