中高生の自転車通学、平均的な交通安全指導は年1回程度が約半数 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

中高生の自転車通学、平均的な交通安全指導は年1回程度が約半数

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自転車の安全利用促進委員会が中高生の自転車通学についての動向調査を実施
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自転車の安全利用促進委員会は、中高生の自転車通学についての動向調査を行い、その結果を発表した。調査対象は、全国の中学高校教職者と中高生の自転車通学をする子どもを持つ主婦。

同委員会では道交法改正以降、自転車通学や自転車の活用実態について、中学校・高校の自転車通学指導者宛にFAXアンケート、当事者である中高生、保護者に対するアンケート調査を行ってきた。今回、アンケート結果の中から、指導状況等の各校の取り組みと、それに対しての保護者の考えが公開された。

まず、中学高校教職者に「自転車通学者に対して義務化・推奨化している項目」から該当するものを回答してもらった。

その結果、「自転車保険の加入」(35.0%)や「ヘルメットの着用」(27.7%)などの事故発生状況を想定した項目が重要視されていることがわかった。一方、自転車事故そのものの原因をなくすための項目である「自転車の安全性を担保するBAAマーク」(7.3%)や「メンテナンス関連のTSマーク」(14.0%)などについては、浸透していないことが明らかになった。

NITE(製品評価技術基盤機構)の調査では、2004~2013年に製品欠陥が原因で発生した事故は367件。製品欠陥である「強度不足」(106件)、「取り付け不備」(58件)、「加工不良」(32件)などがきっかけとなり、運転中に自転車が壊れ事故化、症状が重症化しているケースも見られる。

まだ浸透していない「自転車の安全性を担保するBAAマーク」や「メンテナンス関連のTSマーク」も、事故を減らすためには必要と言える。

「自転車保険の加入」(35.0%)や「ヘルメットの着用」(27.7%)などは、「義務化・推奨」実績が多数あった。万が一事故が発生した際の対策として、これらの項目が重要視されていると考えられる。自転車保険は、兵庫県をはじめ、加入を義務化している自治体もある。

また、中学高校教職者を対象に、実際にどの程度の頻度で自転車通学者に対する講習会を実施しているかについての調査を実施。その結果は、「1年に1度」(47.3%)、「年1回未満」(2.7%)、「未実施」(4.0%)となった。交通安全指導・授業に対し、半数以上の学校が年1回以下の実施だということがわかった。

中高生の子どもを持つ主婦を対象に実施したアンケートでは、69.0%が「(自転車の交通安全に対する)教育機会が少ない」と感じていることが明らかになった。

これらを受け、同委員会のメンバーの疋田智氏は、自転車は車両であるという意識に欠けた運転が目立つとし、「クルマの免許を持っていないということも大きいが、それを学校教育で補うのだ、という意識が、生徒側にも学校側にも足りないのだと思う。製品欠陥や整備不良がきっかけとなる大きな事故を防ぐために、安全基準を満たした自転車の購入、定期的なメンテナンスも必要」と語っている。
《美坂柚木》

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