そもそも、学生スポーツは明治時代の旧制高等学校の第一高等学校と第三高等学校の対抗戦に始まり、大学は私学の雄としての早稲田と慶應義塾の対抗戦から盛んになっていったという歴史がある。そういう意味では早慶戦がいつも順位に関係なくシーズンの最後を飾るカードとして、対抗戦を重んじている東京六大学野球はその伝統を重んじているといっていいだろう。

ただ、今回のテーマはそのことではない。むしろ、一部と二部の入れ替えもある東都連盟と首都連盟のリーグ戦がそれぞれ現状のスタイルから変更されそうになり、にわかに周辺の動きが慌ただしくなってきているのだ。リーグとしての優勝争いはもちろんのことながら、東都はかつて、立正大も國學院大も秋に初優勝を果たした翌年の春には最下位に低迷し、入替戦でも破れ二部に降格するという天国と地獄を味わうということがあった。
また、今春は一部から昇格したばかりの伝統の専修大がそのままリーグ優勝。まさに、キャッチフレーズ通り「戦国東都」である。こうして、一部二部の力が拮抗して、入替戦があることで盛り上がっているリーグ戦でもある。
しかし、その一部と二部の環境の落差は厳しい。そのことが、今回の編成替えへの引き金になっていることは確かであろう。そもそも、ことの発端は9月初旬に東都連盟が、現状の一部6校、二部6校から一部二部を統合した形であわただしく12校編成のリーグ戦を検討しているという発表があったからである。

春には完全試合も達成した、東海大の丸山投手
その理由としては、従来は二部リーグ戦の会場として使用されていた神宮第二球場が、老朽化を理由に、昨年からリーグ戦では使用不可となったことだ。そのことで、二部リーグ戦はホーム&アウエー方式で、各校のグラウンドで1試合ずつ行うというシステムに変更されていった。そして、3回戦にもつれた場合には神宮球場が空いている場合に限って神宮で試合を行い、そうではない場合は小野路球場などローカル球場を抑えて何とか対応する形がとられていた。
だが、移動の問題など諸事情で不都合が生じることが多くなってきて、何とか神宮球場で一本化できないだろうかと検討されてきた問題である。しかし、結果としては結論には至らず、今季は現状のまま進めざるを得ないということなったようだ。
【学野球が再編で揺れる…東都と首都、それぞれの事情 続く】