夏の移籍市場最終日となった8月31日、注目されたマンチェスター・ユナイテッドのダビド・デ・ヘアは、書類到着の遅れというまさかの理由でレアル・マドリード移籍が破談になった。スペイン紙『アス』が報じている。
直前にユナイテッドは移籍金3000万ユーロ(約40億円)と、レアルのGKケイロル・ナバスの譲渡を条件に、デ・ヘアの移籍に合意したとする情報が流れた。今夏の移籍市場を賑わせた話題もこれで決着かと誰もが思った。
しかし最終日に移籍は実現しなかった。理由はユナイテッド側からスペインプロリーグ機構(LFP)に送った書類が、時間内に届かなかったことだと『アス』紙は伝えている。
これを受けて『スカイ・スポーツ』も、デ・ヘアの移籍は破談になる可能性が高いと報じた。ユナイテッドの関係者は「間違いなく期日内に送った」と、手続きに不備はなかったと話している。コンピューターのトラブルも考えられるが、今回の件で特例が認められる可能性は極めて低い。
ナバスはメディカルチェックを受けるため準備していたが、デ・ヘアとのトレードがなくなったことで彼のプレミアリーグ行きも消滅しそうだ。
予想だにしない結末に、「これはUEFAが許可することできないのか」「エド・ウッドワード(ユナイテッドCEO)がいい仕事したな」「これは何の冗談だ」「レアル・マドリードのためなら、スペインはルールを曲げそう」「ユナイテッドはデ・ヘアを出さないため、わざと時間ずらして送ったんじゃないか」などの声が寄せられている。
書類の遅れによる移籍失敗と言えば2013年、ファビオ・コエントランの件が蘇る。そのときもやはりユナイテッドとレアルだった。レアルからコエントランを獲得するため、準備万端で待っていたユナイテッドだが、書類が期日までに到着せず移籍は破談となった。
手続き上のミスという説明を信じる者は少なく、英国『BBC』は当時「書類は1時間前に準備されていた。だが代わりの選手を獲得するのに失敗したレアルが、直前になって移籍を取りやめた」と伝えていた。
今回はユナイテッド、レアルとも移籍の成立を主張しているが、約30分の遅れを連盟がどう判断するか注目される。
《岩藤健》
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