8月1日にブラジルのリオデジャネイロで開催されるUFC190では、女子バンタム級タイトルマッチが行われ、王者ロンダ・ラウジーにベチ・コヘイアが挑戦する。
柔道のオリンピック銅メダリストで柔術やボクシングの訓練も積んでいるロンダ。女子バンタム級では向かうところ敵なしの絶対王者だが、以前から「打撃センスはどうなの?」と疑問を呈する声もあった。それもこれも組んだら相手をテイクダウンし、一瞬で極めてしまう強さがあるため、まともな撃ち合いになったことが少ないからだ。
そうした声を払拭したいとロンダも考えていたようで、対戦相手には打撃が強いと言われる選手を積極的に指名してきた。コヘイアもそのひとりだ。
コヘイアは2014年8月に行われたUFC177でシェイナ・ベイズラーを圧倒。体重の乗った重いパンチの連打でTKOした。プロ転向後9試合負けなしのブラジル人ファイター。
UFC177の直後からロンダは対戦を熱望していたが、ディナ・ホワイト社長は当時コヘイアのランキングが9位だったこともあり、時期尚早と判断した。しかし両者が勝ち続ければ、いずれ戦うときが来るだろうと含みも残していた。
会場がコヘイアの地元ブラジルということを考えても、ロンダの優位は覆らないだろう。それでも彼女に期待することがあるとしたら、先に連打を当ててチャンピオンを慌てさせることだ。重いパンチが続けて入ればロンダでも耐えられないかもしれない。
女子では倒せる選手がいないとさえ言われる最強女王に、無敗の挑戦者が地元で波乱を起こせるか。
《岩藤健》
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