ポール・トゥ・ウインでSF初優勝を達成した石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)の走りは素晴らしいものだったが、それを追って2位に入った可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)の走りも見事だった。もちろんレースには外から見ただけではわかりにくい“難しさ”も多々あるが、それはさておき、誰もが「さすがはF1表彰台経験者」と思える走りだったといっていいだろう。間違いなく、好走だった。
石浦との戦いもさることながら、可夢偉の見せ場はピットストップ直後の野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)との攻防にもあった。先にピットストップを終えていた野尻の直前でコース復帰した可夢偉は、タイヤが冷えた状態でポジション死守をせねばならなく、ブレーキングでタイヤスモークを上げてしまう。「おかげさまでタイヤにフラットスポット(平らな偏摩耗部分)をつくってしまいました」。