2015ツール・ド・フランスは最終日前日に天王山のラルプデュエズ
■ベルギーとオランダは異なった文化が形成されている
ベルギーとオランダは3~4年に一度、この世界最大の自転車レースを迎える。いずれも「自転車王国」と呼ばれるほど自転車レースの盛んな国で、地元の人たちの関心度も高い。この2カ国は地続きで、一部では言語も同じなのだが、実際に訪問してみるとまったく異なった文化が形成されていることに気づく。その最たるものは食文化、具体例を挙げればビールだ。
どちらとは言わないが料理がおいしく、多種多様なビールが用意されている。その違いがどこに由来するのかというと、それはまぎれもなく宗教だ。オランダは禁欲性を求めるプロテスタントが多く、どうしても食事は質素になりがち。加えて気候も厳しいので食材が豊富ではなく、おいしいものを求める風土が育まれなかったのもうなずける。
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ベルギービールはさまざまなタイプがある。@ベルギー大使館
一方のベルギーはフランス同様にカトリックが多く、料理や酒を楽しむ慣習が基盤にある。さらには物流の交差点であり、北海や農業大国フランス、ドイツや北欧などからバラエティあふれる食材が運ばれてくる。ビールはほぼ1社独占のオランダに対し、随所に醸造所があり、料理に合わせてさまざまな銘柄がラインナップされたのである。
聞くところによると、フランスワインと同じで、ベルギービールは料理に合わせて選ぶのがいいらしい。ホワイトビールなら魚介類、色の濃いものなら肉、フルーツ系はデザートなどなど。日本にもざっと数えて10タイプ、100種類以上のベルギービールが輸入されている。
■ベルギービールウィークエンドが日本でも開催
「ベルギービールウィークエンド」は首都ブリュッセルにある世界遺産グランプラス広場で毎年9月の第1週末に行われるビールの祭典だ。最近は日本の主要都市でもベルギービールを楽しむこの催しが行われている。ベルギー王国を深く知り、ベルギーの文化やライフスタイルを満喫するために訪れてみるのも面白い。2015年4月の名古屋を皮切りに、福岡、横浜、大阪、広島、仙台、そして9月の東京までベルギービールを楽しむイベントが用意されている。
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ベルギービールはさまざまなタイプがある。@ベルギー大使館
そんなベルギーは3月になると「クラシック」と呼ばれる過酷なワンデーレースが毎週末開催される。天候はまだ春にはほど遠く、冷たい雨に見舞われることも。レースのコースにはときおり「ベルク=壁」という接尾辞を持った激坂が出現する。壁の斜度がキツいほど沿道の観衆が多く、ベルギービール片手に熱狂的な声援が送られる。
自転車に乗るときはもちろんビールを飲んではいけないが、沿道で応援するときはアルコール度数が高めのベルギービールが一番似合うと思う。