【プロ野球】広島黒田の「男気」に相次ぐ称賛…「新庄や清原など昔は男気を感じる選手が多かった」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【プロ野球】広島黒田の「男気」に相次ぐ称賛…「新庄や清原など昔は男気を感じる選手が多かった」

スポーツ 短信
新庄剛志 参考画像 (2002年9月19日) (c) Getty Images
  • 新庄剛志 参考画像 (2002年9月19日) (c) Getty Images
  • 清原和博 参考画像 (c) Getty Images
  • 黒田博樹 参考画像(2014年9月9日)(c)Getty Images
ヤンキースから広島に帰還した黒田博樹投手に関する報道は、野球界の話題の中心となっている。

中でも、年棒21億円ともされるオファーを断り、年棒4億円の古巣・広島への復帰、自分を育ててくれた広島への愛を選んだ「男気」溢れる決断に、日本中の野球ファンからの称賛が相次いだ。

2月22日、テレビ番組に出演した張本勲氏は、「生き様が素晴らしい。若い選手が黒田選手のような生き様を参考にしてほしい」と絶賛した。これに対してファンは、「あの張本が一選手をこれだけ褒めるのはめずらしい」「黒田選手のことは、日本中のみんなが応援すると思う」「男気って言葉が一人歩きしている感もあるけど…」「黒田はあまり愛想が良くないけど、そこがまた良い。男気を増幅させている要因だと思う」「新庄や清原など昔は男気を感じる選手が多かった」などと反応した。

今回の黒田の決断を通して、「男気」という言葉がちょっとしたブームとなっているが、野球界では過去にも男気を感じるシーンが多々あった。

中でも、清原和博にまつわる男気エピソードは多い。西武在籍時、ドラフトで裏切られた形となった巨人との日本シリーズで、西武の日本一が間近となった瞬間に一塁守備につきながら涙を流したのは有名な話。また、横浜とマリナーズで大魔神として活躍した佐々木の引退試合、最後の打者としてバッターボックスに入った清原は、盟友・佐々木と対峙するやいなや、人目もはばからずに何度も大粒の涙を流した。

また、日本では阪神と日本ハム、メジャーではメッツやジャイアンツで活躍した新庄剛志の男気も記憶に新しい。そのキャラクターから派手なイメージが先行しているが、人間臭いエピソードも多い。メジャーから日本に復帰する際、日本ハムへの入団を決めた理由を聞かれると、「一番先に声をかけてくれた」と明言。日本ハムの誠意に心意気を感じて、それに応えた。また、阪神在籍時代、現役引退か否かで胸中が揺れていた頃、現役続行を決断した背景には、病に倒れた父親に対する気持ちがあった。「親父は自分が野球をやっている姿が好きだから、野球を続けることが良い薬になると思った」と語った。

長年、広島で活躍した前田智徳に関する逸話も忘れてはいけない。「天才」「孤高のバットマン」などと称され、寡黙なイメージの強い前田だったが、野球に対する気持ち、先輩に対する気持ちは人一倍熱いものがあった。当時、広島のエースだった北別府学の200勝のかかった巨人戦で、前田は自分のミスから同点とされるランニング本塁打を許した(これにより北別府の勝利がなくなった)。その後、前田は決勝打となる勝ち越し2ランを放ったが、涙を流しながらダイヤモンドを一周した。「本塁打を打ったところでミスは消えない」。そう語った前田の胸中は、勝ち越し本塁打を放ったことへの嬉し涙ではなく、先輩の勝利を消してしまったことに対する悔し涙だったという。

野球界の男気エピソードを振り返れば、枚挙にいとまがない。近年、一流選手のメジャー流出が相次いでおり、日本プロ野球の盛り上がりを危惧する声も挙がっているが、黒田の復帰を機会に開幕前から例年にない盛り上がりを見せている。オープン戦も始まり、開幕も徐々に近づいてきた。今季も男たちの熱い戦いに期待したい。
《浜田哲男》

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