サッカー日本代表内田所属、シャルケのLINEアカウント取得に見る、スポーツコンテンツのオープン化 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

サッカー日本代表内田所属、シャルケのLINEアカウント取得に見る、スポーツコンテンツのオープン化

スポーツ 短信
Facebookより、スクリーンショット
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サッカー日本代表、内田が所属するブンデスリーガのシャルケが、LINEアカウントを取得、情報発信を強化すると発表した。Facebookアカウントでの発表に、「いいね」は3000を超え、ファンから歓迎の声が相次いでいる。



スポーツ界においても、情報はビジネスの鍵だ。チーム/選手のブランド力を活用した、写真、動画といったコンテンツの掲載は、認知やブランド力向上の戦略において中核を担う。

今回のシャルケの取り組みがなぜ画期的か。チームが前向きにコンテンツの発信を行うということは、他方にあるブランド毀損の恐れよりも、オープンに発信することに価値を見出したからだ。これまでのプロスポーツのコンテンツに対する考え方が、いよいよ方向転換をし始めている。

日本国内におけるメジャースポーツといえば野球とサッカーだが、こうしたメジャースポーツをはじめとする、選手の写真、動画といったコンテンツの利用は、伝統的なメディアを中心に展開されてきた。インターネットが普及し、スマホの利用が浸透した現在、インターネット上でのコンテンツ利用は通常、厳しい制限がある。

ユーザーへのリーチという意味で足元を見れば、マスにリーチ可能な新聞、テレビといった伝統的メディアの活用だけでも十分という判断だろう。ただ、一般に言われるように将来を見通すと、いままでと同じメディア活用とブランディグが通用するとは言い難い。

例えば事故や事件などの報道時に、インターネットサービス(メディアやSNS)に掲出されたものを、伝統的なマスメディアが再掲することはすでに自然である。

一方、伝統的なマスメディアにあるコンテンツが、インターネット上で正式に掲出されることは多くない。インターネットメディアと、非インターネットメディアのパワーバランスの不均衡や、玉石混交状態のインターネット側の課題もある。

また、コンテンツに多大の投資をしているマスメディアにとっては、安易なコンテンツ掲出を避ける。

こうした状況のなかで、一般にニーズの高いスポーツ分野でも、インターネットの活用と、ブランディングに関わる戦略は今後大きく変化していくとみられる。国内の野球、サッカープロチームをはじめ、各スポーツ競技選手個人がSNSを用いたブランディング、情報配信を行って久しく、環境からすれば自然の流れともいえる。

今回シャルケのLINEアカウント利用は、こうした背景から先進的な取り組みだ。情報配信をオープンにすることで、ブランド力の低下を懸念する向きもあろう。しかし、インターネットを活用する場合、今後大きく花開く可能性がより高いのは、オープン化であることはすでに歴史が証明している。IT業界はもとより、製造業でも技術力/サービスの研鑽にあたっては不可避の方向だ。

スポーツ/エンタメ界のビジネスの基幹にあるコンテンツを、オープンなインターネット環境でいかに活用/ブランデイグし、マネタイズするかは、大きな課題であり、同時に今後の成長分野といえる。
《編集部》

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