アスタナに新たなドーピング違反者が発覚したことを受けて、UCI(国際自転車競技連合)はチームの運営体制とアンチドーピング政策の再検討をライセンス委員会に要求することを10月16日に発表した。
マキシムとバレンティンのイグリンスキー兄弟に禁止薬物EPO陽性が発覚したのに続き、今週、イリヤ・ダビデノークから筋肉強化剤として知られるタンパク同化男性化ステロイドが検出されたことが明らかになった。
ダビデノークは22歳の若手で、イグリンスキー兄弟と同じカザフスタン人。2012年から下部チームのコンチネンタルチーム・アスタナに所属し、2014年8月1日からはトップチームのアスタナに練習生として加入。しかし、今年8月28日にフランスのツール・ド・ラブニール参戦中に採取されたサンプルから禁止薬物が検出された。
ダビデノークはBサンプル分析を要求する権利があるが、UCIアンチドーピング規則のもと、この件の裁定が出るまで暫定出場停止処分となる。
UCIレギュレーションのもと、アスタナは1カ月以内にライセンス委員会のもとへと出頭する見込みである。ライセンス委員会はUCIワールドツアーライセンスの発行、審査、剥奪、条件付けを行う機関で、アスタナの倫理基準に関するコンプライアンスレベルを評価し、適切な対策をとることになる。
したがって、チームや首脳陣がこれらのドーピング事件に対してどの程度の責任があったかの判断は、ライセンス委員会にゆだねられることになる。もし、アスタナがワールドツアーライセンスを剥奪されれば、来季はワールドツアー全戦の出場が不可能になり、ビンチェンツォ・ニーバリがツール・ド・フランスに出場できず、タイトル防衛するチャンスを失うことにもなりかねない。
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