【ブエルタ・ア・エスパーニャ14】コンタドールが総合首位に躍進。個人タイムトライアルはマルティンが制す | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ブエルタ・ア・エスパーニャ14】コンタドールが総合首位に躍進。個人タイムトライアルはマルティンが制す

スポーツ 短信
区間4位、総合首位に立ったコンタドール(ブエルタ・ア・エスパーニャ14第10ステージ)
  • 区間4位、総合首位に立ったコンタドール(ブエルタ・ア・エスパーニャ14第10ステージ)
  • 現個人TT世界王者のマルティンが優勝(ブエルタ・ア・エスパーニャ14第10ステージ)
  • 現個人TT世界王者のマルティンが優勝(ブエルタ・ア・エスパーニャ14第10ステージ)
  • 区間2位、総合3位に浮上したウラン(ブエルタ・ア・エスパーニャ14第10ステージ)
  • 区間3位のカンチェラーラ(ブエルタ・ア・エスパーニャ14第10ステージ)
  • 区間5位、総合7位に浮上したサンチェス(ブエルタ・ア・エスパーニャ14第10ステージ)
  • 区間10位のフルーム(ブエルタ・ア・エスパーニャ14第10ステージ)
  • キンタナ(2014年ジロ・デ・イタリアより)
スペイン全土を舞台に3週間かけて行われるステージレース、第69回ブエルタ・ア・エスパーニャ。

休息日明けの第10ステージがレアルモナステリオ・デ・サンタマリアデベルエラからボルハまで36.7kmの個人タイムトライアルで行われた。優勝したのは大本命、現個人タイムトライアル世界チャンピオンのトニー・マルティン(オメガファルマ・クイックステップ)だ。

個人タイムトライアルは総合最下位の選手から順にスタートし、最終走者は総合リーダーだ。前半、暫定トップに立ったのはタイムトライアルスペシャリストで元世界チャンピオン、この日の優勝候補のひとりファビアン・カンチェラーラ(トレックファクトリーレーシング)だ。47分13秒をマークする。

しかしそれを上回ったのがマルティンだ。コース中盤はカテゴリー3級の山岳ポイントがあるため上りに強い選手に向いているが、後半はゴールまで下り基調。後半一気に実力を発揮したマルティンが47分02秒のトップタイムを叩き出す。カンチェラーラは2位に落ちた。

この日の後半の見所は総合成績争いだ。総合リーダーのナイロ・キンタナ(モビスター)からタイム差2分以内に16人の選手がひしめき合っていた。その中でも気を吐いたのがリゴベルト・ウラン(オメガファルマ・クイックステップ)だ。第9ステージ終了時点でキンタナから1分26秒遅れの総合9位だったが、カンチェラーラに次ぐ暫定3位でゴールした。

伸び悩んだのが総合5位のクリストファー・フルーム(スカイ)だ。タイムトライアルは得意だが、この日は思うようにスピードが上がらず最終的に区間10位。総合順位こそ変わらなかったが、ライバルたちとのタイム差は広がってしまった。

最終走者で総合リーダーの証、マイヨロホを着るキンタナにとっては苦渋の日となってしまった。山岳ポイントを越え下りに入った右コーナーで、スピードを落とし切れずにガードレールへ突っ込んでしまった。

身体は宙を舞い一回転、バイクからはサドルが外れるほどの大クラッシュだ。ジャージの背中には無数の穴があいたが、幸いにもケガはなくバイクをゴールへと走らせた。しかし先にゴールして区間4位となったアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)から3分28秒秒遅れ、総合成績でも11位に沈んでしまった。

代わりにマイヨロホにソデを通したのがコンタドールだ。山岳ポイントをトップで通過し、マルティンから39秒遅れでゴールしている。大会開幕時からステージを重ねるごとに調子が上がっているようだ。

最終走者のキンタナもゴールして優勝はマルティン決まった。レース後、カンチェラーラは前走者を風避けにして走ったとして7秒のペナルティが課せられた。

その結果ウランが繰り上げで区間2位となり、オメガファルマ・クイックステップはワンツーフィニッシュとなった。ちなみにこの日はチームのスポーツディレクター、トム・スティールスの誕生日。夜は勝利と誕生日を祝ったようだ。

第10ステージ終了時点での総合成績は以下の通り。

1位 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)+27’’
3位 リゴベルト・ウラン(オメガファルマ・クイックステップ)+ 59’'
4位 ウイネル・アナコナ(ランプレ・メリダ)+1' 12''
5位 クリストファー・フルーム(スカイ)+1' 18''
6位 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)+1' 37''
7位 サムエル・サンチェス(BMCレーシング)+1' 41''
8位 ファビオ・アール(アスタナ)+2' 27''
9位 ロベルト・ヘーシンク(ベルキン)+2' 38’'
10位 ダミアーノ・カルーゾ(キャノンデール)+ 2' 59’’

区間5位と好走したサンチェスと同22位のカルーゾがトップ10入りした。

第11ステージは後半にカテゴリー3級の山岳ポイントを越えて最後は1級の山頂ゴール。総合争いはまだまだこれからだ。

大会は総距離およそ3240km、9月14日まで全21ステージで行われる。

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《五味渕秀行》

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