スペイン全土を舞台に3週間かけて行われるステージレース、第69回ブエルタ・ア・エスパーニャ。
第7ステージがアレンディンからアルカウデテまでの169kmで行われ、前半から逃げに乗ったイタリアのアレッサンドロ・デマルキ(キャノンデール)が独走で優勝した。
なかなか逃げのアタックが決まらない日だった。そんな中、総合優勝候補クリストファー・フルーム(スカイ)が落車。右太ももに擦過傷を負い、一時メイン集団から1分ほど遅れたが最初の山岳ポイントの前には無事復帰した。
この日は前半にカテゴリー3級、後半に同2級の山岳ポイントを越える。アップダウンの多い逃げ向きのコース設定だったがスタートから1時間後、やっと4人の逃げが決まった。
ユベール・デュポン(コフィディス)、ライダー・ヘシェダル (ガーミン・シャープ)、ヨハン・チョップ(IAMサイクリング)、そして7月のツール・ド・フランスでスーパー敢闘賞を獲得してパリ表彰台に上ったアレッサンドロ・デマルキ(キャノンデール)だ。
後半になりランプレ、トレックファクトリーレーシングがメイン集団を牽くが逃げ集団とのタイム差はなかなか縮まらない。残り40kmとなっても5分以上の差が開いていた。4人は順調に逃げていたが残り15kmでユベール・デュポン(コフィディス)が脱落、次にヘシェダルが緩いカーブでスリップして落車。
残されたふたりはヘシェダルを気にかけていたが待っていると後続に捕まる。後続との差は3分ほどになっていた。脚を緩めることなくゴールを目指すが間もなくチョップも遅れる。そこからデマルキの一人旅だ。
チームカーのスタッフと優勝を分かち合いながら、デマルキはひとりゴールへとやってきた。初めてのブエルタ区間優勝は今シーズン初勝利となった。
総合争いは首位のバルベルデから15秒遅れで2位ナイロ・キンタナ(モビスター)、18秒遅れで3位アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)、20秒遅れで4位クリストファー・フルーム(スカイ)となっている。
フルームはメイン集団3番手となる7位でゴール。わずかに後続と差が開き、8位以下の選手に2秒タイム差を付けた。これにより総合成績も3位コンタドールとわずか2秒差に迫った。
第8ステージは山岳ポイントがない平坦のスプリンター向けコース。翌日が山頂ゴールで出番のないスプリンター勢によるゴール勝負が見られることだろう。
大会は総距離およそ3240km、9月14日まで全21ステージで行われる。
《五味渕秀行》
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