フラットな194kmの第6ステージはスタート直後に4選手の逃げが決まり、集団は4選手を射程圏内に置きながら、ゆっくりとレースが進んだ。
第5ステージでの落車の怪我や、体力面で消耗している選手が大半を占める集団を、強い風と、冷たい雨が襲った。そんな中、現在ポイントジャージを保持しているペーター・サガン(キャノンデールプロサイクリング)や、フランスチャンピオンのアルノー・デマァー(FDJ)など、有力選手たちが次々と落車。
逃げていた4選手も残り20km付近で2選手が集団に戻り、残り13kmを前にして集団は1つに。スプリンターを擁するチームの位置取りがはじまるところで、激しい横風により集団は2つに分裂。
ヨーロッパカーの新城幸也は、チームメートでスプリンターのブライアン・コカとともに前方集団に残り、ゴールまで残り2kmからブライアンと一緒に前方の集団に残った。
ゴールスプリントの瞬間をまえに、新城がスプリントの位置取りをはじめトップスピードで先頭を牽く。その様子は、会場内の大型ヴィジョンにも映し出され、今年で引退するフランスの名物MC、ダニエル・マンジャスも興奮気味に、「ユキヤ アラシロっ!」と名前を連呼。会場では大歓声が起きた。
残り1kmを切ったところで、次のスプリント要員、アシストのケビン・レザが先頭にたち、ヨーロッパカーは完璧な形でゴールスプリントに入ったが、ブライアンは大柄のスプリンターたちに行く手を阻まれ、行き場を失い、8位に終わった。
新城は54秒遅れの区間85位でレースを終えた。総合上位を狙うエースのピエールが少しずつタイムを落とし総合35位。マイヨジョーヌのニバリから6分17秒差。
第6ステージを終えて新城は「横風を警戒するようにとピエールに伝えたが、タイミング悪く後ろに下がってしまった。自分が戻って、集団を牽いても、どうにもならない差が開いた。現場の判断でブライアンのアシストに廻って、スプリントの良い形が作れた」と振り返る。
「ピエールは、山岳で挽回できる。自分の調子も上がってきているので、その時自分は精一杯ピエールのアシストする。チームメートが落車に巻き込まれたが、大事に至らず良かった。雨はもう嫌だね…」悔しい表情で話した。
翌日の第7ステージはエペルネ~ナンシーまでほぼフラット、234.5kmの長丁場だ。雨の予報が出ており、風も強いようなので、気の抜けないステージになる。
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