ジロ・デ・イタリア第16ステージは標高2618mのガビア峠、最高峰2758mのステルビオ峠が雪に見舞われ、選手たちは防寒具に身を包んでの峠越えを余儀なくされた。
大会主催者は除雪や凍結防止剤の散布を徹底し、このステージを強行した。ステルビオ峠では降雪となり、選手たちは極寒のダウンヒルに備えて峠でチームスタッフからジャケットなどを手渡してもらい、立ち止まって着用する選手もいた。
ステルビオ峠からの下りがスリッピーで、主催者は「レースを中断するニュートラル移動区間」とする裁定を決めたが、その通達がスタート後であったことから全選手に伝えきれなかった。総合成績で首位に躍り出たナイロ・キンタナがライバル選手らの集団から抜け出したのはこの下りだった。
「ニュートラルになることは聞いていないが、ボクが稼いだタイム差は最後の上りで得たものだから、それがあっても関係ないと思う」とキンタナ。
《山口和幸》
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