小学校にお巡りさんがやってきて「交通安全教室」って、やることありますね。私の少年時代にもあった。今でもある。婦警さんの腹話術とか、なかなか心躍るイベント(?)だったりもしたんだけど、この交通教室で一番の眼目になるのが「自転車教育」である。
自転車ルール、何が一番大切って、私ヒキタが思うに「自転車は左側通行」につきる。左側通行さえ守っていれば、大まかなところ全自転車事故の半分はなくなるのだから。
ところが、この一番大切な原則が、事実上「教えられない」のだ。
道交法上、小学生、すなわち13歳未満の児童は、歩道を通ってもOKだ。親御さんも「車道を走るなんてトンデモない」と思いこんでいる。だから、警察が教えるのは自然「歩道ルール」だけとなる。となると道交法63条の4に基づいて「自転車は歩行者に気をつけて“歩道の車道寄り”を走るべし。通行方向は左右どちらでもよろしい」ということにならざるを得ないわけだ。
困ってしまうのは、こうして教わった子供たち、小学校を卒業すると、もう「自転車教育」なんてものを受ける機会がほぼ皆無となることだ。そのままオトナになって「チャリンコは歩道だろ? 左右どっちでも関係ねえ」ということになってしまう。もちろん自転車は「車道」で「左側通行」なのに。真逆なのだ。
かくして、日本の自転車は今日も歩道を左右デタラメに走り回り、先進国随一の事故率をかこつということになってしまった。
本当にもうどうにかならんものかねぇ。
《疋田智》
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