【山口和幸の茶輪記】世界で戦う女子中学生ライダー、畠山紗英の底知れぬ可能性 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】世界で戦う女子中学生ライダー、畠山紗英の底知れぬ可能性

オピニオン コラム
ソチオリンピックのスノーボード男子ハーフパイプでは15歳の平野歩夢が銀メダル、18歳の平岡卓が銅メダルを獲得した。10歳に満たないころから海外メジャーレースに身を投じ、世界の強豪と戦ってきたのだからメダル獲得に値するトップクラスのアスリートなのだろう。
  • ソチオリンピックのスノーボード男子ハーフパイプでは15歳の平野歩夢が銀メダル、18歳の平岡卓が銅メダルを獲得した。10歳に満たないころから海外メジャーレースに身を投じ、世界の強豪と戦ってきたのだからメダル獲得に値するトップクラスのアスリートなのだろう。
ソチオリンピックのスノーボード男子ハーフパイプでは15歳の平野歩夢が銀メダル、18歳の平岡卓が銅メダルを獲得した。10歳に満たないころから海外メジャーレースに身を投じ、世界の強豪と戦ってきたのだからメダル獲得に値するトップクラスのアスリートなのだろう。

さて2年後のリオデジャネイロオリンピック、そして6年後の東京オリンピックで自転車競技界に彼らのような実力を備えたティーンエイジャーがいるのか?

実はいるのである! 五輪種目としてはまだ知られていないBMX競技、それも女子クラスだ。

オリンピックで採用される自転車競技はトラック、ロード、MTB、BMXの4つ。BMXは08年の北京大会から採用された。70年代に米国カリフォルニア州で子どもたちが遊び始めた20インチ車輪の自転車を使い、波状の起伏や斜度のついたコーナーを備えた400mほどのコースで着順を競う。最大8選手が一斉にスタートし、規定の順位内でゴールした選手が次のラウンドに進出できるといった勝ち上がり方式だ。

日本は北京大会に男子1人を送り込んだのみ。ロンドン大会を含めて女子は参加を果たしていない。しかし15歳よりの下の年代別クラスで日本女子は毎年世界チャンピオンを輩出しているほどこの種目に適性がある。その有力候補が畠山紗英。神奈川県の寒川町在住。この14歳の女子中学生がレッドブルアスリートになったことは彼女のfacebookで知った。

畠山は2歳から自転車に乗り始め、2人の兄の影響でBMX競技を始めた。4歳で早くもコースデビューをし、小学生のころには国内のレースに出場。次々と優勝を果たした。男子選手にもひけをとらない大きなジャンプを武器に、2009年にオーストラリアで開催された世界選手権10歳ガールズクラスを制覇。

さらに2011世界選手権(デンマーク)12歳ガールズクラス、2012世界選手権(イギリス)13歳ガールズクラスでも世界一になった。2013世界選手権(ニュージーランド)では2位だったが、優勝したのは日本の榊原爽で、2010年の南アフリカ大会以来だという。彼女たちの年代クラスでは2008年から畠山と榊原で世界チャンピオンのタイトルをわけあっているのだ。

さらに日本にはその上のジュニアクラスで瀬古遥加や朝比奈綾香といった若手実力者を擁し、五輪出場枠の獲得をねらう。男子ほど海外選手層が厚くない女子のほうが五輪出場が期待でき、決勝の8人に残れば一発勝負でメダルも期待できる。夏季五輪で注目の種目である。

畠山は小学6年のときから、北京オリンピックで日本代表のコーチを務めた宮城力の指導を受け、「オリンピック出場、アメリカで活躍」という夢に向かい、日々厳しいトレーニングを行っている。現在、地元の中学校に通いながら海外で戦うにはコミュニケーション力も必要と、英語の勉強にも積極的に取り組む。
《山口和幸》

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