【秋華賞/危険な人気馬】「0.0.0.13」はエンブロイダリーかカムニャックか GI馬にのしかかる“不穏データ”の正体 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【秋華賞/危険な人気馬】「0.0.0.13」はエンブロイダリーかカムニャックか GI馬にのしかかる“不穏データ”の正体

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【秋華賞/危険な人気馬】「0.0.0.13」はエンブロイダリーかカムニャックか GI馬にのしかかる“不穏データ”の正体
  • 【秋華賞/危険な人気馬】「0.0.0.13」はエンブロイダリーかカムニャックか GI馬にのしかかる“不穏データ”の正体

今週は、3歳牝馬三冠路線の最終戦・第30回秋華賞(GI、芝2000m)が京都競馬場で行われる。

今年は、オークス馬カムニャックと桜花賞馬エンブロイダリーの2頭が二冠制覇をかけて参戦。待ったをかけるのが、トライアルのローズSで権利を獲得したテレサセナスタイル、紫苑Sで出走権を得たケリフレッドアスクジョスランダノンフェアレディといった面々。そのほか、中京記念を制したマピュースなど、別路線組にも注意を払いたい好メンバーが揃った。

そんな中、桜花賞馬エンブロイダリーが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■芝2000m以上で勝ち鞍のない桜花賞馬は……

阪神JF覇者で、桜花賞、オークスともに2着のアルマヴェローチェが戦線を離脱。その同馬を破ったGI馬2頭、カムニャックとエンブロイダリーが人気を二分しそうな今年の秋華賞だが、桜花賞での鮮やかな勝ちっぷりから一転、オークスでは9着に大敗。距離が不安視されるエンブロイダリーに大きな信頼は寄せられない。

オークスからの直行は近年のトレンドで、過去10年の秋華賞でも【6.1.3.16】の成績。主要ステップの位置付けとなっている。しかし、オークスでの着順に目を向けると、秋華賞で複勝圏内に入った10頭はすべてオークスで3着以内の好成績を残して直行してきた。一方、オークス4着以下からの直行では【0.0.0.13】の成績で、一度も馬券圏内に絡むことができていない。

また、1996年に秋華賞が創設されて以降、桜花賞馬がオークスを経て秋華賞へ駒を進めた馬(直行以外も含む)のうち、オークスで勝ち馬から1秒以上離されて敗戦した馬は3頭。その中で、97年キョウエイマーチは秋華賞で2着に好走したが、当時芝2000mで行われていた前哨戦のローズSを制した経験値がモノを言った格好だった。

ほか2頭、15年レッツゴードンキや17年レーヌミノルは、秋華賞で2ケタ着順に敗戦。それ以外にも、06年キストゥヘヴン、08年レジネッタ、11年マルセリーナなど、芝2000m以上のレースで勝ち鞍のない桜花賞馬は、ことごとく秋華賞で掲示板外に敗れている。これらのことから、距離適性という点で、芝2000m以上での勝ち鞍がなく、経験値も乏しいエンブロイダリーにとっては厳しい戦いになると言わざるを得ない。

血統面でも、父アドマイヤマーズはマイル戦線で活躍した父同様、産駒もマイルから短距離指向が強い。産駒のデビュー以降、芝のレースで35勝しているが、芝2000m以上ではわずかに3勝。祖父ダイワメジャーも産駒の秋華賞での成績は【0.1.1.5】と勝ち切れておらず、父系からは秋華賞との相性は悪そうだ。

今年は、アルマヴェローチェを含め、桜花賞の2、3着馬やオークスの2、3着馬が不出走となり、実績面ではカムニャックとエンブロイダリーが抜けた存在。その中で、前走ローズSを勝ち上がったカムニャックが一歩リードという状況で、エンブロイダリーに逆転の目を期待したいが、やはり距離面での不安はつきまとい、過去の歴史からも果たして掲示板さえあるのか、というほど信頼度はいまひとつ。その状況なら、少なくともエンブロイダリーの「頭」勝負は避けたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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