
ドジャースの山本由伸投手は6日(日本時間7日)、敵地でのオリオールズ戦に先発。8回2/3を投げて1安打2四球10奪三振1失点の快投を見せた。メジャーでは自身初のノーヒットノーランに近づいた日本人右腕の投球をチームメイトや相手選手が振り返っている。
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■27歳捕手「確信を持って投げた」
山本はドジャースが4連敗で迎えていたなか、立ち上がりから抜群の安定感を見せると、3回に先頭から2者連続四球を与えた以外は完ぺきな投球。フォーシームにスプリットやシンカーなどの制球も冴えて、8回までオリオールズ打線を無安打に抑えてゼロを並べた。
9回のマウンドにも上がり、2死を奪い日本選手では1996年、2001年に達成した野茂英雄、2015年に達成した岩隈久志に続く3人目のノーヒットノーランに王手をかけた山本だが、ジャクソン・ホリデー内野手に投じたこの日112球目のカットボールを右翼スタンドへ運ばれてあと一歩で快挙を逃した。それでも、降板時にはオリオール・パークからは大声援が送られた。
この日山本とコンビを組んだ27歳のベン・ロートベット捕手はMLB公式サイトの記事内で、試合後に「(彼は)カッターをコールしたんだ。良い球だったと思う」とホリデーへの1球は山本が選択したことを明かしつつ、「彼は確信を持って投げていた。狙い通りの球だったと思う」と感想を述べた。
さらに、オリオールズのトニー・マンソリーノ暫定監督は「ヤマモトは本当に素晴らしい」と相手エースを評価しており、「初球は98マイルだったと思う。スプリットはとんでもなかったし、カーブ、カットボールも素晴らしかった。今夜の彼の投球は、まさにノーヒットノーランに近いものだった」と快挙に迫った投球を絶賛した。
また、米スポーツ専門局『ESPN』は山本の記録を阻んだホリデーのコメントを紹介しており、「これは自分にかかっていると思っていた」と予感していたという21歳は、「もちろんそのこと(ノーヒットノーラン)を考えていたし、大きな出来事だから少し緊張もしていた。でも、それを打ち破ることができて嬉しかった。彼の投球は素晴らしかった」と喜びを示しつつ山本にも賛辞を贈った。
山本のメジャーで初のノーヒットノーランを目前で阻んだホリデー。オリオールズの未来を背負うことが期待される21歳新星は記録をストップさせて、その後のチームの逆転につながる貴重な役割を果たした。
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