
今週は阪神競馬場でしらさぎS(芝1600m)が行われる。今年から新設されたマイル重賞に豪華なメンバーが揃った。
ここでは、過去10年データが使えないこともあり出走各馬にスポットを当てたデータを算出。レーベンスティールとチェルヴィニアにフォーカスしたデータを取り上げる。
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■レーベンスティールに“馬券内率75%”データ該当
昨年は重賞連勝で天皇賞・秋にも参戦したレーベンスティール。同レース惨敗後は仕切り直しでAJCCを使われたが、そこでも見せ場なく敗れてしまった。ピークアウトしてしまったのか……そんな声を一掃するデータがこちら。
・川田将雅×田中博康厩舎の芝成績【1.2.0.1】
馬券内率に換算すると75%。今年のスイートピーSでもマリアイリダータという馬が3番人気2着と好走をはたしており、川田将雅×田中博康厩舎×芝レースの信頼度は絶大だ。
レーベンスティールについて補足すると、6~9月の暑い時季は【3.0.1.0】と抜群の安定感。寒い時季のタフな芝が合わない印象で、パンパンの良馬場が見込まれる今週末の阪神芝もプラス材料と言えそうだ。厩舎の勝負騎手を配して臨む今回、過去2戦とは異なる姿が期待される。
■チェルヴィニアに「0.0.0.10」の不安要素
一方で、チェルヴィニアには不安要素が浮上する。牝馬二冠の実績はメンバー中断然。とても6月のGIII戦に出走するようなレベルの馬ではないが、今回ネックとなるのは同馬の血統背景だ。
・古馬のハービンジャー産駒の阪神芝1600mOPクラス成績【0.0.0.10】
10度の出走がありながら馬券内はゼロ。チェルヴィニア自身も桜花賞で惨敗を喫しているように、阪神マイルでパフォーマンス低下が見られている点は見逃せないところだ。
芝2400mのオークス、芝2000mの秋華賞勝利が示すように中距離以上の距離で真価を発揮する本馬。オークス2着の母チェッキーノ、新潟記念勝ち馬の兄ノッキングポイントと、バックボーンを紐解くとこちらも中距離以上の距離適性が強調されていた。メンバーレベルを考えるとバッサリ消しは難しいかもしれないが“1着のゾーン”においては消しの判断も視野に入りそうだ。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。