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ドジャースが大谷翔平投手の通訳を務めていた水原一平氏を違法賭博疑惑で解雇してから一夜明けた21日(日本時間22日)、日米メディアは続報を掲載しており、波紋が広がっている。
この問題を先行して報じた米地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』は同日、「大谷翔平は、水原一平が露呈した事実をきっかけに成長する必要がある」と題して、記事を公開。アスリートである前にひとりの社会人として「グラウンド上でのパフォーマンス以外にも責任を負う必要がある」と訴えた。
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■「長い間、責任を負ってこなかった」
『ロサンゼルス・タイムズ』の名物コラムニスト、ディラン・ヘルナンデス記者は「オオタニは7月で30歳になる。その年齢にふさわしい行動を始めなければいけない」と指摘。今まで通りフィールド上で見せる若々しいプレーは歓迎だが、フィールド外では「(大人として)成長しなければならない」と訴えた。
同記者は「あまりにも長い間、オオタニはフィールド上でのパフォーマンス以外にはほとんど責任を負っていなかった」と主張。「彼が日本でプレーしていた時、チーム寮からほとんど出ず、銀行口座のお金にも手を出さなかったことは有名。打ったり投げたりする以外の多くのことは他の人に頼っていた」と説明し、「これが2018年にメジャーへ移籍して以降、水原元通訳に完全に依存した理由だ」と記した。
日本時代から野球だけに集中し、生活面は無頓着。さらに慣れない土地に来て、英語も話せない状況であれば、他人に頼る傾向に拍車がかかるという主張だ。
今回の件では、水原元通訳が大谷のパソコンにログインし、大谷の銀行口座から胴元の口座にお金を振り込んでいたという報道もあるが、同記者は「もし仮に本当にそうであれば、それはミズハラがオオタニのお金にアクセスできたことになり、同時にオオタニが資格のある会計士をわざわざ雇わないほど自分の財政について無関心だったことを意味する」と指摘した。
■「もっと注意深く付き合う必要がある」
また、同記者は大谷がエンゼルス時代からメディアを遠ざける傾向にあり、今回の件でも取材拒否の姿勢を取っていることにも苦言。大谷自身が語らないため、推測だけが独り歩きしている現状を踏まえ、「彼は公の場で自分をどのように表現するか、もっとコントロールする必要がある」と記し、普段から自分の口で語るように促した。
「いずれにせよオオタニはこの状況に対処しなければならず、このようなことが2度と起こらないようにする必要がある。彼は自分が付き合っている会社などについて、もっと注意深くならなければならない」とした同記者。最後は「スキャンダルはパフォーマンスに影響を及ぼすことがある。フィールドで子どものように振る舞うためには、フィールド外で大人になる必要がある」と結んだ。
自分の競技以外のことに関心を持たないアスリートは少なくないと言われているが、社会常識を備えた大人になることは必要であり、30歳になる大谷もそこは避けられないはず。会見の開催含めて今後の対応が注目される。
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文●SPREAD編集部