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フリーエージェント(FA)の大谷翔平投手は4日(日本時間5日)、フロリダ州にあるトロント・ブルージェイズの春季キャンプ施設で関係者と面会したと、米スポーツメディア『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者が報じた。
ローゼンタール氏は「この面会は、ブルージェイズや他球団との交渉が最終段階に入っていることを示す根拠になるだろう」とし、「ドジャース、カブス、そしてその他のチームも入札に残っており、オオタニは複数のクラブと面談した」と伝えている。
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■急浮上したブルージェイズとその背景
ブルージェイズの春季キャンプ施設は、21年に1億ドルを掛けてオープン。大谷はエンゼルス時代に本拠地であるロジャース・センターでプレーしたことはあったものの、施設にはこの日が初訪問となった。
ローゼンタール氏は「一日中、ブルージェイズとオオタニの間に何かが起こっている兆候があった」と切り出し、球団ゼネラルマネージャーのロス・アトキンス氏がウィンターミーティングにZOOM参加となったこと、ジョン・シュナイダー監督がメディア向け講演会の日程を変更したこと、 大谷の代理人ネズ・バレロ氏がウィンターミーティングの開催地であるテネシーにいなかったことを挙げた。
大谷争奪戦といえば、最有力候補には長らくドジャースが台頭してきたが、ここ数週間でブルージェイズが本格的な求婚者として急浮上している。ブルージェイズが大谷を必要とする理由について、記事では4つの理由を紹介。1つ目は、ブルージェイズが勝利に本腰を入れ始めたこと。2つ目は、本拠地の改修工事費を補填する新しいプレミアム席の販売を計画していること。3つ目は、チームの将来的な競争力を向上させること。最後にアトキンスGMとマーク・シャピロ球団社長のどちらか、あるいは両方が失職の危機にさらされることを挙げた。
16年以来プレーオフで勝利していないブルージェイズは、大谷の知名度や集客力を本拠地の改修工事費3億ドルを補填するためにも生かしたい考えだ。さらに、吉田正尚外野手と首位打者争いをしたボー・ビシェット遊撃手と、21年にホームラン48本で大谷を抑えて本塁打王に輝いたブラディミール・ゲレーロJr.一塁手が、ともにあと2年でフリーエージェントとなることを見越した将来的な戦力補強、加えて球団幹部へのプレッシャーが高まっていることも、獲得に乗り出した背景としている。
ブルージェイズはチームのトレーニング施設と、本拠地球場へ合計4億ドルの投資をした。大谷を獲得しそれらを回収したいと考えるのは自然なことと言えそうだ。
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(A.Kudo/SPREAD編集部)