【MLB】大谷翔平、マリナーズ移籍のメリットとデメリット ファンが苦悩する一発頼みの低打率打線と本拠地球場 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【MLB】大谷翔平、マリナーズ移籍のメリットとデメリット ファンが苦悩する一発頼みの低打率打線と本拠地球場

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【MLB】大谷翔平、マリナーズ移籍のメリットとデメリット ファンが苦悩する一発頼みの低打率打線と本拠地球場
  • 【MLB】大谷翔平、マリナーズ移籍のメリットとデメリット ファンが苦悩する一発頼みの低打率打線と本拠地球場

ロサンゼルス・エンゼルスからFAとなった、大谷翔平投手の去就に注目が集まっている。MLB公式のトップページには「Ohtani Watch」という特別スペースが開設され、最新記事や噂話が日々更新されるなど、超異例の“VIP待遇”だ。

9日(日本時間10日)には、公式サイトのアンソニー・カストロビンス記者が「オフシーズン8つの大胆予想」と題した特集記事を公開。大谷の移籍先候補に、ダークホース的存在でもあるシアトル・マリナーズを推した。

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■マリナーズの補強ポイントには完全に合致

今季ア・リーグ西地区3位、88勝74敗でレギュラーシーズンを終えたマリナーズ。惜しくもポストシーズン進出を逃したが、近年は優勝争いにも顔を出す強豪に成長しつつある。年間を通して「指名打者」の席が心許ない状態が続き、大谷はまさにうってつけの補強候補と言える。

強固な先発陣が揃っているため、大谷が来季登板できなくても影響はない。超高額年俸を要求されなければ、数ある本命たちを出し抜いて、まさかの“大逆転”移籍が実現する可能性も残されている。

大谷がかねてから敬愛する、球団OBのイチローも大きな後押しになるだろう。今夏シアトルで開催されたオールスターゲームでは「Come to Seattle(シアトルに来て)」の大合唱が起こるなど、地元の受け入れ態勢も万全だ。

■球団が長年抱える“特有”の課題も……

一方で、マリナーズが長年抱える課題点も見逃せない。本拠地球場のTモバイルパークは、メジャーリーグ全30球場でもっとも投手有利な球場として知られている。今季の球場別平均打率.228はメジャーワーストで、短縮シーズンの2020年含め4年連続で最下位。シアトルは年間通して平均気温が低く、とりわけ春先は打球が著しく失速する。

貧打に悩まされる要因が環境にあるため、優秀な打者が移籍してきても結果が残せないケースが過去にも多数存在した。大谷もTモバイルパークでの成績は、通算31試合で打率.184、6本塁打、13打点、OPS.641と別人のよう。マリナーズの今季チーム打率.242は全30球団で22位。本塁打210本は全体11位と健闘するも、三振数1603個はメジャーワースト2位、低確率のクジ引きのような打線がファンを悩ませた。

資金にも限りがあるため、長期に渡って優勝争いを続けるのも難しい。低迷期に獲得した若手を育て、勝負期で資金を投入する。そしてピークを過ぎれば、再び再建期へ。スモールマーケットではないが、ロサンゼルス・ドジャースニューヨーク・メッツのように、毎年大型補強で戦力を維持することはできない。

育成システムが機能しており、先発・リリーフともに豊富な投手陣が揃っている点は魅力だ。試合終盤で逆転を許し、白星を消されて嘆く場面は減るだろう。抑えられず勝てないエンゼルスから、打てずに勝てないマリナーズへ。大谷の新たな苦悩が透けて見えるようだが、多くのマリナーズファンは、打線の核となる二刀流の入団を心から待ち焦がれている。

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文●有賀博之(SPREAD編集部)

《SPREAD》
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