【全米女子オープン】古江彩佳、 海外メジャー初制覇の期待感を抱かせるストロークゲインド「昨季比+0.32」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【全米女子オープン】古江彩佳、 海外メジャー初制覇の期待感を抱かせるストロークゲインド「昨季比+0.32」

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【全米女子オープン】古江彩佳、 海外メジャー初制覇の期待感を抱かせるストロークゲインド「昨季比+0.32」
  • 【全米女子オープン】古江彩佳、 海外メジャー初制覇の期待感を抱かせるストロークゲインド「昨季比+0.32」

全米女子オープンが6日、カリフォルニア州のペブルビーチゴルフリンクスで開幕する。出場する日本選手は、規定の世界ランキングをクリアした選手や各地の予選会を突破した選手を含め、過去最多となる22名。

1977年の全米女子プロを制した樋口久子、2019年の全英女子オープンを制した渋野日向子、21年の全米女子オープンを制した笹生優花に次ぐ日本女子4度目の海外メジャー制覇に期待を抱かせる面々がそろった。

その中でも昨季から米ツアーを主戦場とし、ここへきて抜群の安定感を発揮している古江彩佳に注目したい。

◆“飛ばなくても強い”古江彩佳の秘訣 データから見えた崩れないゴルフの奥深さ

直近5試合で3度トップ10入りしており、今季未勝利ながら米ツアーのポイントランキングは3日時点で4位。年間チャンピオンをも狙える位置につけている。

世界ランキングは17位で日本選手最上位。これまでの米ツアーの勝利数や獲得したタイトルの大きさでは畑岡奈紗や渋野には及ばないものの、現在の‟日本女子のエース”と称されても違和感がない活躍を続けている。

■SG・トータル「+0.32」

古江は今季13戦し、予選落ちはたった1回。トップ10は6回でランキングは2位タイ。昨季より高いレベルで成績が安定している。

これはショットの精度向上によるものが大きい。

SG(ストロークゲインド)・ティートゥーグリーン、SG・ドライビング、SG・アプローチ、SG・アラウンドザグリーン、すべてのショット関連のSG指標が、記録、順位ともに昨季を上回っている。

パッティングは昨季から若干落としているものの引き続き良く、今季のSG・パッティングは5位。

もともと安定していたパッティングに、ショットの安定感が加われば、成績が向上するのは当然、SG・トータルが昨季の1.02から1.34へ、ランキングでは23位から12位へ向上した。この「+0.32」の記録と「11」の順位の上昇は、長い期間での安定感をはかる上では大きな差だ。

■今季はメジャーでの気負い減少か

古江は昨季3大会で予選落ちした。全米女子オープン、全英女子オープン、全米女子プロ、3大会ともすべてメジャーだ。メジャー以外の出場した大会はすべて予選を通過したが、メジャー5大会の内3大会で予選落ちしたのだ。メジャーではなぜ振るわなかったのか。理由の一つに‟気負い”が挙げられるだろう。

古江は昨季、全米女子オープン前週のバンク・オブ・ホープLPGAマッチプレーでは惜しくも2位。全英女子オープン前週のスコットランド女子オープンでは米ツアー初優勝を遂げた。

2つのメジャーには、前週の好成績によって自信を持ち、自分に期待して臨んだだろうが、それが過度な力みとなり、古江が大切にしているスイングやゴルフのリズムが乱れた。

しかし、米ツアーを戦っていくため、さらにはメジャーを勝つために必要なものを着々と上積みしている古江。技術的なものだけでなく、気持ちのコントロールの面でも、引き出しを増やしている。

今季これまでに開催されたメジャーは2大会。シェブロン選手権では予選を通過した。全米女子オープン前の最後の大会となった全米女子プロでは8位タイに入った。

全米女子プロ終了後のインタビューでは「(全米女子オープンに向けて)一週空くので、リラックスしながら調整したい」と語った。世界ランキング日本人最上位者は、実りある調整をしてぺブルビーチに乗り込んでいるはずだ。

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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