【WRC】第7戦サファリ・ラリー・ケニアはトヨタが2年連続1-2-3-4フィニッシュ 「勝利への情熱を求めた」とラトバラ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WRC】第7戦サファリ・ラリー・ケニアはトヨタが2年連続1-2-3-4フィニッシュ 「勝利への情熱を求めた」とラトバラ

新着 ビジネス
【WRC】第7戦サファリ・ラリー・ケニアはトヨタが2年連続1-2-3-4フィニッシュ 「勝利への情熱を求めた」とラトバラ
  • 【WRC】第7戦サファリ・ラリー・ケニアはトヨタが2年連続1-2-3-4フィニッシュ 「勝利への情熱を求めた」とラトバラ

2023年FIA世界ラリー選手権WRC)第7戦サファリ・ラリー・ケニアは25日、競技最終日デイ4がケニアのナイバシャを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamセバスチャン・オジエが優勝。カッレ・ロバンペラが2位、エルフィン・エバンスが3位。日本の勝田貴元が4位となり、トヨタ勢が2年連続で1-2-3-4フィニッシュを決めた。

◆【実際の映像】ダメージを追いながらも優勝のフィニッシュを決めたオジエ

■勝田の3年連続表彰台ならず

アフリカの大地を制したオジエの走り (C) Toyota Gazoo Racing WRT

サファリ・ラリー・ケニアの最終日デイ4は、ナイバシャ湖近くのサービスパークを中心に、「マレワ」「オセリアン」「ヘルズゲート」という3本のグラベル(未舗装路)ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離74.38km。ナイバシャ湖の周辺は雲が広がりつつも時折青空も見え、競技中に降雨はなかった。

前日のデイ3で首位を堅守したオジエは、デイ4オープニングのSS14で2番手タイムをマーク。2位のロバンペラが8.1秒差でベストタイムを記録した結果、ふたりの差は8.6秒に縮まった。続くSS15ではオジエが、2番手タイムのロバンペラに8.6秒差をつけるベストタイムを記録。ここで差は17.2秒に。しかし、このステージでオジエはリヤウイングとバックドア(リヤゲート)を失い、続くSS16もその状態で走行。オジエは3番手タイムだったロバンペラから3.6秒遅れの5番手タイムとなりその結果、二人の差は13.6秒に縮まる暫定結果に。

◆【実際の映像】バックドアとスポイラーを完全に失いつつ激走するオジエ

ミッドデイサービスを挟んで始まった午後の再走ステージでは、1本目のSS17でロバンペラがベストタイムを、オジエが0.6秒差の2番手タイムを記録。SS18では勝田が今大会2回目となるベストタイムを記録し、ロバンペラは3番手タイム、オジエは6番手タイム。最終のパワーステージを前に首位オジエと総合2位ロバンペラの差は9.2秒にまで縮まり、優勝争いはボーナスの選手権ポイントがかかるパワーステージへ。全長10.53kmのパワーステージ「ヘルズゲート2」をロバンペラは3番手タイムで、オジエは4番手タイムで走行。結果、オジエが6.7秒差でロバンペラの猛追を抑え切り、2021年大会以来2回目となるサファリ・ラリー優勝、そして今シーズン3勝目を飾った。なお、サファリ・ラリーにおいて6.7秒差は史上最小のタイム差だった。

今季3勝目を挙げたオジエは「とてつもなく大変なラリーで、とてつもない戦いでした。自分としてはそれを楽しむことができましたが、もう少しアクシデントが少なければ、もっと楽な戦いになったはずです。ペースは非常に良かったですし、クルマはとてもドライブしやすく、フィーリングも良かったのですが、今日はバックドアを失ったり、フェシュフェシュの砂地で少しオーバーヒートしたりと、あちこちで小さなアクシデントに見舞われました。それでも、いい結果を持ち帰ることができて嬉しいです。チームの全員が獲得するに相応しい勝利と結果だと思いますので、みんなで喜びを分かち合いたいと思います」と素直に喜びを表した。

一方のロバンペラは「セブとのバトルは終盤かなり激しく、このように僅かな差で優勝を逃すと、ドライバーとしてはやはり最高の気分にはなれません。それでも、最終的にはチャンピオンシップのために多くのポイントを獲得することができました。終末を通して自分の計画通りに戦いを進め、いいペースで走ることができましたが、大きなリスクは冒しませんでした。だから、このような結果でラリーを走り切れたことはとても嬉しいです。最終日はクルマにとって本当にタフでした。特に、最後から2番目のステージは深い砂と轍(わだち)が多くありましたが、自分たちのクルマは強く、それを乗り越えて、チームがケニアで再び1-2-3-4フィニッシュを達成できたことは素晴らしいと思います」とまずはポイント獲得を良しとした。

エバンスと勝田による3位争いは、勝田が一時11.4秒差まで詰め寄るも及ばず。エバンスが25.3秒差で勝田を抑え3位表彰台、勝田は4位フィニッシュで3年連続表彰台獲得はならなかった。

トヨタは今回の勝利によりサファリ・ラリーでの通算優勝回数を11に増やし(うち10勝はWRC開催イベント)た。そして、今年は1993年にセリカGT-FOUR(ST185)で初めてサファリ・ラリーで1-2-3-4フィニッシュを達成してから30年目。同一のWRCイベントで、同じマニュファクチャラーが1-2-3-4フィニッシュを3回獲得するのは史上初。

ロバンペラの激走も一歩及ばず (C) Toyota Gazoo Racing WRT

■ランキング2位のヌービルが失格

TGR-WRTは、オジエとロバンペラが獲得したポイントによりマニュファクチャラー選手権首位の座を守り、選手権2位のライバルチームに対するリードを23ポイントから42ポイントに広げた。また、ドライバー選手権ではロバンペラが首位の座を守り、選手権2位となっているヒョンデのティエリー・ヌービルに対するリードを25ポイントから37ポイントに拡大。エバンスは選手権3位に順位を上げた。なお、ラリー終了後、ヌービルが失格となったとの報も入っている。

TGRチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは「チームとドライバー達が達成したこの結果をとても誇りに思います。最近は競争が激しくなっているので、今年ケニアに来た時は、再び1-2-3-4フィニッシュを達成できるとは思っていませんでした。それでも、二年連続でこのような結果を残せたのは偶然ではないと思います。このイベントのためにチームが準備を正しく進めてきたこと、選手達が素晴らしい仕事をしたことなど、全ての要素が揃ったからこそ、良い結果を得られたのです。このラリーでは、まず信頼性が高く、道からの厳しい罰に耐えられるクルマが必要で、その上でパフォーマンスを追求することになります。我々のチームが信じるこの哲学は間違いなく正しいアプローチであり、それが結果に表れています。今年は我々のドライバー間の競争も熾烈で、タイムが接近した時は緊張感が高まっていたとも思いますが、それはごく普通のことですし、我々は勝利への情熱を持ったドライバーを求めています。全員が同時に優勝することはできませんが、このリザルトがどれほど大きな成果であるかは、彼ら全員が理解しているはずです」とチームの結果に安堵した様子だ。

サファリ・ラリー・ケニア 提供:TGR/WRC

WRC次戦は7月20日に開幕する第8戦「ラリー・エストニア」。2020年のWRC初開催から4年目を迎えるこのグラベル・ラリーのステージは、全体的にハイスピードながら、道幅が狭くツイスティなセクションも多い。また、同じようなステージの特徴を持つラリー・フィンランドと比べると路面が軟らかく、同じステージを2度走行する際には深い轍(わだち)が刻まれる特色もある。

■サファリ・ラリー・ケニアの結果

1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 3h30m42.5s2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +6.7s3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m58.5s4 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +3m23.8s5 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +5m05.4s6 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +9m14.4s7 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +16m15.7s8 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +24m47.0s ※ラリー後、失格9 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェイ・シュチェパニャク (シュコダ Fabia Rally2 evo) +26m33.4s10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia Rally2 evo) +27m04.0s

◆第6戦ラリー・ケニアでトヨタが1-2-3-4フィニッシュ 勝田貴元も3位表彰台

◆世界ラリー選手権2023年シーズン特集 トヨタは3年連続3冠獲得なるか、カッレ・ロバンペラの連覇は… 速報・結果一覧

文●SPREAD編集部

《SPREAD》
page top