【ボクシング】世界フェザー級指名挑戦者、阿部麗也の対戦相手は「かなり変則的なパンチ、KOも強烈」と分析 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ボクシング】世界フェザー級指名挑戦者、阿部麗也の対戦相手は「かなり変則的なパンチ、KOも強烈」と分析

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【ボクシング】世界フェザー級指名挑戦者、阿部麗也の対戦相手は「かなり変則的なパンチ、KOも強烈」と分析
  • 【ボクシング】世界フェザー級指名挑戦者、阿部麗也の対戦相手は「かなり変則的なパンチ、KOも強烈」と分析

IBF世界フェザー級指名挑戦者でSPREADの単独インタビューに2度、応じてくれた阿部麗也(KG大和)が挑む世界タイトルマッチの対戦相手が、ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に決まった。

5月27日に行われたロペスの初防衛戦は、26日にWOWOWで放映される。阿部本人が語るロペスの印象を参考にしながら、観戦を楽しんでほしい。

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■ロペスが、超アウェイに乗り込んで初防衛

ロペスの初防衛戦の相手は、WBA同級暫定王者でIBFの5位にランキングされるマイケル・コンラン(北アイルランド)だった。会場は挑戦者の地元、ベルファストのSSEアリーナ。オリンピックのメダリストで人気者のコンランの応援に熱狂的なファンが押し寄せ、会場は超満員。第1ラウンドから合唱が聞こえる異様な雰囲気となった。

考えてみれば、ロペスがタイトルを獲得した試合も、チャンピオン、ジョシュ・ワーリントン(英国)の地元、リーズで行われた。超アウェイに乗り込んで戦うハートの強さは並外れているといっていいだろう。

■変則的な右アッパーが大きな武器

この試合で、まず注目したいのはコンランのスタイル。サウスポーで身長173センチというスペックは、阿部とほぼ同じ。右ジャブでリズムを掴みながら、左ストレート、フックを打ち込むボクサー・タイプという点もそっくりだ。阿部の目線からすれば、コンランの戦い方がとても参考になる。

一方のロペスは163センチと小柄。プレッシャーをかけながら前に出てくるファイターだ。特徴は、スイング気味に振り回す右アッパーと左フック。特に右アッパーは大きな軌道を描いて飛んでくる。

このパンチについて阿部は、「かなり変則的なパンチですね。相手にしてみれば、タイミングが取りにくくて、よけられないんでしょうね。コンランをKOしたパンチは強烈でした」と警戒する。

しかし、意外にも。戦いやすいと感じているという。「穴が多い選手ですね。特に攻め込んでくるときはガードが極端に下がりますから、そこにカウンターを打ち込むイメージはできています。コンランよりもやりやすいと思っています」。

確かに、攻撃もディフェンスもとにかくラフでユニークだ。ロペスの強みと弱点を意識しながら観戦すると、阿部との試合への興味がさらに膨らむはずだ。

■世界タイトルマッチのスケジュールは調整中

さて、気になるのは、世界タイトル挑戦のスケジュール。いったい、いつごろになるのか、阿部本人に直撃した。

「今、帝拳を通じて交渉中です。IBFは指名試合を重視するので、決まると思うんですが。実はロペス側に統一戦をしたいという希望があるらしくて、まだ具体的なスケジュールが出ていないんです」。

5月末に試合をしたばかりのチャンピオンが統一戦をしてからとなると、阿部選手の挑戦が先になる可能性も出てくる。ファンとしては、秋にもタイトルマッチを見たいところ。続報を待ちたい。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。

《SPREAD》
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