【WRC】第6戦ラリー・イタリア サルディニア最終日 ヌービルが事故死ブリーンに捧ぐ今季初優勝、トヨタのロバンペラが3位 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WRC】第6戦ラリー・イタリア サルディニア最終日 ヌービルが事故死ブリーンに捧ぐ今季初優勝、トヨタのロバンペラが3位

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【WRC】第6戦ラリー・イタリア サルディニア最終日 ヌービルが事故死ブリーンに捧ぐ今季初優勝、トヨタのロバンペラが3位
  • 【WRC】第6戦ラリー・イタリア サルディニア最終日 ヌービルが事故死ブリーンに捧ぐ今季初優勝、トヨタのロバンペラが3位

2023年FIA世界ラリー選手権WRC)第6戦ラリー・イタリア サルディニアは現地4日、最終日となるデイ4が行われ、前日首位に立ったヒョンデのティエリー・ヌービルが優勝。2位にはエサペッカ・ラッピが入り、ヒョンデは1-2フィニッシュ。ヌービルは昨年12年ぶりに開催されたラリー・ジャパン以来の勝利となった。3位には、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR)のカッレ・ロバンペラが入った。

◆【実際の映像】雨中の悪路を激走するWRCカー・オンボード・カメラ まさにクレイジーな走り

■トヨタ、ロバンペラともにランキング・トップを堅持

トヨタのエルフィン・エバンスが4位。一時首位に立ったセバスチャン・オジエは14位、勝田貴元は40位に終わった。

ラリー・イタリア サルディニア 提供:TGR/WRC

ラリー・イタリア サルディニアの最終日は、サルディニア島北東部のオルビアに置かれたサービスエリアを起点に、島の北東部で2本のステージを各2回走行。その合計距離は46.02キロと、4日間で最短。夜間に降った雨の影響でステージは一部区間がぬかるみ、非常に滑りやすいコンディションでの戦いとなった。

デイ3、前日2位以下に36秒以上のマージンを築いたヌービルは最終日に慎重な走りを心がけ、この日は一度もステージ首位を獲得することなく、総合で首位をキープ。スペシャル・ステージ(SS)16、17はともにフォードのオィット・タナックがトップ。SS18では勝田がステージ優勝した。

ロバンペラは、前後のライバルとのタイム差が開いていたため、最終SS19のパワーステージに向けたタイヤ戦略で走行。最初の3本のステージをやや抑え気味のペースで走行し、路面が雨で濡れて滑りやすくなったパワーステージでは全開でアタック。2番手タイムのタナックに4.7秒差をつけるベストタイムでSS19を締めた。この結果、総合3位でフィニッシュしたロバンペラは、最大獲得可能ボーナスの5ポイントを追加で獲得。ドライバー選手権首位の座を守り、2位との差を25ポイントに広げた。

TGRはマニュファクチャラー選手権首位の座を守り、リードは23ポイントとなった。

悪路をつき今季初優勝を飾ったヌービルの激走 (C) Red Bull Content Pool

ヌービルは「明らかにとてもタフな1週間だったよ。もちろん勝てると信じてここに乗り込んで来たものの、初日はハードでずいぶんタイムも失った。昨日リードを得て、最後までフィニッシュできた」と今季初優勝を喜んだ。「(事故死した)クレイグ・ブリーンのためにもクロアチアで勝利したかったんだが、やったよ!」と第5戦を前に事故死した元同僚へ勝利を捧げた。

ヌービルに25ポイント差でドライバーズ選手権首位に立つロバンペラは「最終日に向けて良いタイヤパッケージが残っていたので、パワーステージでプッシュし、ベストタイムとボーナスの5ポイントを獲得することができたのは本当に良かったです。走行前に大雨が降り、最後の数台が走る前に雨脚が弱まったので決して簡単ではありませんでしたが、自分にとってはいつものような泥道でのチャレンジでした。自分にとってこのラリーは常にトリッキーですが、今回は、速く走れるときは速く走り、必要なときは着実に走るというプランで臨み、それが上手く行きました。全体的にペースは良く、トラブルにも見舞われず、ラリーが始まった時にはこれほど多くのポイントを獲得できるとは思っていませんでした」と首位キープを素直に喜んだ。

ヒョンデに先行を許しつつ、マニュファクチャラー・ランキングでトップを堅持したTGRのチーム代表ヤリ-マティ・ラトバラは「昨年のこのラリーは、チームにとってパフォーマンス的に非常に厳しいものでしたが、今年はより強く、勝つための本当の戦いができていたと思います。雨が多く降って滑りやすいコンディションになったことで、多くの困難な出来事やドラマがありましたが、残念ながら、この週末は我々が達成できたかもしれないほどの良い結果は得られませんでした。しかし、今日のパワーステージは素晴らしいパフォーマンスを発揮したカッレが制し、総合結果でも3位となり、チャンピオンシップに有利なポイントを獲得することができました。また、エルフィンも総合4位でフィニッシュし、チームにとって重要なポイントを獲得することができました。次のサファリ・ラリー ケニアがとても楽しみです」と次戦での挽回を期した。

WRC次戦は22日から25日にかけ、アフリカのケニアで行われる第7戦「サファリ・ラリー・ケニア」。2021年にWRCのシリーズに復帰した、長い伝統と知名度を誇るこのグラベル(未舗装路)ラリーのステージは、非常にハイスピードな区間、大量の軟らかい砂に覆われた区間、そして岩や石が多く転がる荒れた区間など変化に富み、ひとたび雨が降ると路面はぬかるみ非常に滑りやすくなる。リエゾン区間も含めた総走行距離は255.50キロ。

■ラリー・イタリア サルディニアの結果

1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 3h40m01.4s2 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +33.0s3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m55.3s4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +5m20.5s5 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +9m33.3s6 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally2) +11m48.9s7 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェイ・シュチェパニャク (シュコダ Fabia Rally2 evo) +12m46.1s8 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2) +12m53.5s9 ミコ・マルチェク/シモン・ゴスポダルチェク (シュコダ Fabia RS Rally2) +15m33.8s10 エリック・カイス/ペトル・チェシンスキー (シュコダ Fabia RS Rally2) +16m49.4s

14 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +19m50.4s

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◆ヒョンデのクレイグ・ブリーンが事故死 レース界が哀悼の言葉で埋まる

◆第5戦ラリー・ポルトガル 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが今季初優勝、ランク首位に 

文●SPREAD編集部

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■ヌービル、ラリー・ジャパン以来の優勝

《SPREAD》
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