【Bリーグ】 琉球ゴールデンキングス、7季目で悲願の初優勝 沖縄のバスケの歴史が花開いた夜 前編 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【Bリーグ】 琉球ゴールデンキングス、7季目で悲願の初優勝 沖縄のバスケの歴史が花開いた夜 前編

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【Bリーグ】 琉球ゴールデンキングス、7季目で悲願の初優勝 沖縄のバスケの歴史が花開いた夜 前編
  • 【Bリーグ】 琉球ゴールデンキングス、7季目で悲願の初優勝 沖縄のバスケの歴史が花開いた夜 前編

バスケットボール日本一を決めるBリーグ・ファイナルは27日、28日と東地区1位の千葉ジェッツふなばしと西地区1位の琉球ゴールデンキングスが対戦、琉球が、GAME1を96-93、GAME2を88-73と千葉に2連勝し、初の頂点に輝いた。

◆【実際の映像】琉球ゴールデンキングス、涙の初優勝の瞬間

■初めて西地区にトロフィー

レギュラーシーズンでは東地区優勝、全体1位で勝ち上がった千葉。今季はBリーグ新記録となる史上最多の24連勝を達成するなど破竹の勢いでレギュラーシーズンを駆け抜けた。琉球は、熾烈な西地区を制し、6連覇を達成。全体2位でチャンピオンシップへ駒を進めてきた。

両チームによるファイナルは、GAME1ではファイナル史上初めての延長、そして再延長までもつれるなど、まさに激闘だった。昨年のファイナルで宇都宮ブレックスと対戦し連敗、準優勝に終わった悔しさを琉球が見事に晴らし、Bリーグ創設から7シーズン目、初めて西地区にトロフィーをもたらした。

優勝決定直後、桶谷大ヘッドコーチは、「この会場が沖縄アリーナに見えます。ありがとうございます。今年の千葉は間違いなく史上最強で、打ち破るために100パーセントの力を発揮しないといけない。千葉の良さを出してしまうと僕たちは太刀打ちできない。ゲームプラン通り選手たちが頑張ってくれたと思います」と、詰めかけた観客と喜びを分かち合った。

本物の相手だったからこそ、喜びはひとしおだった。その後会見に臨んだ桶谷HCは、「優勝できたことは喜ばしく、千葉という最高のシーズンを送ってきた相手と決勝ができて本当にうれしく思う。やっていてすごく楽しく、バスケットが楽しいと感じられた。千葉にも敬意を表したい」と改めて、笑顔で語った。同HCは、かつての「bjリーグ」に続き、Bリーグでも琉球を頂点に導いた指揮官となった。

チャンピオンシップのMVPはアレン・ダーラムが受賞し、この2戦で最も活躍した選手に贈られたファイナル賞は、コー・フリッピンが受賞した。どちらも途中出場の選手、誰が出ても貢献し活躍する、まさにチームが団結した琉球の強さが光ったファイナルだった。

表彰式を終えロッカールームへと引き上げる選手たちは、ミックスゾーンで各社の取材に応えた。キャプテンの田代直希は、「今の気持ちを表現することが難しい。トロフィーが重い! Bリーグのチームがこれを目指して、シーズンを戦っているので、最後に僕たちが持つことができたが、色々な重みが詰まっている」と、トロフィーを胸に抱きながら取材に応じてくれた。

308日ぶりに復帰した琉球ゴールデンキングスの主将・田代直希 (C) 琉球ゴールデンキングス

■バスケの神様のプレゼント

田代個人は、左膝前十字靭帯断裂、左外側半月板損傷及び左大腿骨外顆骨挫傷という怪我の影響で、昨シーズンはファイナルの舞台に立つことができず、ベンチから仲間に声をかけ続けた。

昨季の悔しさを晴らしたいと今季は途中から復帰するも、「なかなかパフォーマンスが上がって来ず悔しさを表現できなかった。苦しいシーズンだった。トロフィーを掲げることができたので、バスケの神様がいるのなら特別な一瞬をプレゼントしてもらえたな」と感慨深げにトロフィーを見つめた。

これまで自身のキャリアで初の優勝。「人生で初めて目標を掲げて達成できたこと。今までどこか、到達する前に諦めたり、叶わなかったりしてきた。でも、こういう経験をすると目標は達成できると体感できた。きっと未来にもつながると思った」と語った。 印象的だったことは、多くの選手がこれまでのクラブとしての積み重ねの結果であると強調していたことだ。田代は、「たくさんの方がキングスでプレーし、コーチをし、何年も応援し続けてくれた積み重ねが今年の結果に繋がったと思う。今年のメンバーと言わず、代々プレーしたり、関わった人たちに感謝したい」と喜びを表現し、歴史を作って来たこと、歴史の一部になれたことを実感していた。

会見では在籍11年目、チーム唯一の沖縄県出身選手である岸本隆一が「やっとここまでたどり着いた。すごくうれしい気持ちでいっぱい。今日という日に至るまで、多くの方が力を尽くして戦ってきた。感謝の気持ちもある。自分たちにとって、沖縄にとって、意味のある優勝になったと思う」と噛み締めた。クラブや先人たちに対するリスペクトが、チームの根底にある。

◆【後編】琉球ゴールデンキングス、7季目で悲願の初優勝 沖縄のバスケの歴史が花開いた夜 

◆308日ぶりに復帰した琉球ゴールデンキングスの主将・田代直希が追い求める昨季逃した優勝への道

◆バスケ版チャンピオンズリーグが10月開幕 宇都宮と琉球に「初優勝を期待」と島田チェアマン

■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。

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