【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが57.5秒差で首位堅持 デイ2 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが57.5秒差で首位堅持 デイ2

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【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが57.5秒差で首位堅持 デイ2
  • 【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが57.5秒差で首位堅持 デイ2

2023年FIA世界ラリー選手権WRC)第5戦ラリー・ポルトガルは13日、競技2日となるデイ2が行われ、前日首位になったTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamカッレ・ロバンペラが2位との差を57.5秒に広げトップを堅持した。2位と3位には前日同様ヒョンデのダニ・ソルド、ティエリー・ヌービルがつけた。

◆【実際の映像】トップを爆走するカッレ・ロバンペラ、この走りを目撃せよ

■エバンスは離脱、勝田は復帰

ラリー・ポルトガルのデイ2は、ポルトガル北部のポルト近郊、マトジニョスのサービスパークを中心に、7本合計148.68kmを走行する今大会最長の一日となった。前日に続き晴天に恵まれ、グラベル(未舗装路)ステージの路面はドライコンディション。

デイ1で首位に立ち、総合2位のダニ・ソルドに対し10.8秒のリードを築いたロバンペラは、デイ2でさらにスピードアップ。デイ1でのロバンペラはステージの出走順が2番手と早く、後続のライバルよりも不利な滑りやすい路面コンディションでの走行を強いられたものの、ここで首位に立ったことにより、デイ2での出走順は7番手。ロバンペラは前日よりもクリーンな路面を走行。これにより朝一番のSS9からSS12にかけ、4ステージ連続でベストタイムを記録し、2位ソルドとの差を55.2秒まで広げた。さらに、ロバンペラはSS14でもベストタイムを刻み、最終的には差を57.5秒に拡大、デイ2を締めくくった。

王者の風格さえ取り戻したロバンペラ (C) Toyota Gazoo Racing WRT

今季初勝利に向け突き進むロバンペラは「非常にいい一日でした。昨晩クルマのセットアップを少し変えたところフィーリングがさらに良くなったので、純粋にドライビングを楽しむことができるようになりました。今朝の最初ステージは、グリップが大きく変化するなどトリッキーな路面でしたが、クルマのフィーリングが良かったので、とにかくハードにプッシュし続けました。午後のステージはコンディションが良い場所ではいいペースを保ち、荒れている場所ではペースを落とすなどして、クルマとタイヤをしっかり守ることができたと思います。楽に走ることができているので、明日の朝はまずクリーンに走り、最後のパワーステージでは少しチャレンジをしてみるつもりです」とすっかり自信を取り戻した様子だ。

勝田貴元は、前日のデイ1の2本のステージを走り終えた時点でロバンペラと同タイムの総合4位につけていたが、その後メカニカルトラブルでデイリタイア。この日はチームにより修理されたマシンで再出走。デイ2での勝田はステージの出走順が1番手となり、誰よりも不利な路面コンディションでの走行となったが、一日の最後のスーパーSS、SS15「ロウサダ」では2番手タイムを記録。その走りに会場に集まった観客からも大きな拍手が贈られた。

ラリーに復帰、ポイント獲得を狙う勝田貴元 (C) Toyota Gazoo Racing WRT

勝田は「今日は出走順がトップだったので非常に苦労するだろうと覚悟していましたが、このようなコンディションをどう切り抜けたらいいのか、経験を積むことができたのは大きな収穫でした。例年同様、土曜日に設定されるステージは道の表面がルースグラベルで覆われているため非常に滑りやすく、駆動も伝わりにくい難しい路面でした。そして午後の再走ステージは、予想以上に荒れたコンディションでした。小型のクルマが走ったことで全く違う轍やラインが刻まれ、再走ステージでもまだ路面のクリーニングが必要でした。明日はまずクルマをフィニッシュまで運ばなくてはなりませんが、午前中、特にファフェのステージの1回目の走行で様子を見て、もし調子が良ければ最終のパワーステージでプッシュして、チームのために追加ポイントを獲得したいと思います」とポイント獲得を期した。

なお、デイ1のSS7でコースオフを喫したエルフィン・エバンスは、その後コ・ドライバーのマーティンと共に検査を受け、身体に問題はなかったものの、マシンのダメージは激しくデイ2での再出走を断念した。

エバンスは「昨日はとても困難な一日でした。路面のクリーニング役を担うため苦労することは予め分かっていましましたが、それでけでなく、クルマのフィーリングや自信に関しても少し悩んでいました。それでも状況は良くなっていき、ベターなフィーリングでモルタグアのステージに臨んだのですが、トリッキーなセクションで足をすくわれてしまいました。左コーナーが2つ続く高速セクションで、2つ目のコーナーは少し砂が多くて滑りやすかったため、ほんの少し滑ってコーナリングがワイドに膨らみ、バンクに当たってクルマが激しく転がってしまったのです。スコットも僕も身体は全く問題なく、クルマは僕らをしっかりと守ってくれました。今は、次のラリー・イタリア サルディニアでクルマに戻ることが楽しみです」と次戦へと気持ちを切り替えていた。

TGRチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは「今日、カッレは驚くべきスピードを発揮しましたが、ノーミスで全てをコントロールしていました。昨年はこのようなパフォーマンスを頻繁に見ることができましたが、今シーズンは彼が望むような状況が整うまでに少し時間がかかってしまっただけだと思います。今、カッレはクルマにとても満足していますし、このような良いフィーリングを感じることができていれば、非常にハードに攻めることもできます。今日の午後はそれほどプッシュする必要がなかったにも関わらず、ステージ優勝をしているので、きっと楽に戦えているのだと思います。ラリーはまだ1日残っていますが、このまま全てがうまく行き、良いフィーリングが最後まで保たれることを願っています」と速さを取り戻した前年王者を称えた。

ポルトガル・ラリーSS図-1 提供:WRC/TGR

競技最終日となる14日のデイ3は、サービスパークの北東エリアで4本のステージを走行。そのうちSS17/19「ファフェ」は、大勢の観客が集うビッグジャンプで知られる、ラリー・ポルトガルの名物ステージ。そして、最終ステージとなるファフェの2本目SS19は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。ステージは全部で4本、合計55.42km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、335.08kmが予定されている。

ポルトガル・ラリーSS図-2 提供:WRC/TGR

■ラリー・ポルトガル デイ2の結果

1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 2h59m48.6s2 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +57.5s3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m08.6s4 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m10.9s5 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +2m21.8s6 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2)+8m08.3s7 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン(シュコダ Fabia RS Rally2) +8m43.7s8 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2)+9m36.7s9 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2)+9m58.1s10 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally2) +11m33.1s

36 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1h02m02.4s

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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