【Bリーグ】原修太がけん引する最強・千葉ジェッツふなばしは22-23シーズン初の二冠達成なるか 前編 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【Bリーグ】原修太がけん引する最強・千葉ジェッツふなばしは22-23シーズン初の二冠達成なるか 前編

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【Bリーグ】原修太がけん引する最強・千葉ジェッツふなばしは22-23シーズン初の二冠達成なるか 前編
  • 【Bリーグ】原修太がけん引する最強・千葉ジェッツふなばしは22-23シーズン初の二冠達成なるか 前編

2020-21シーズンにはBリーグを制した強豪千葉ジェッツふなばしは真っ先に「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」への出場を決めた。6大会連続6度目となる。

今シーズン、破竹の24連勝を記録するなど勢いは止まることを知らず、3月12日に東京都の有明コロシアムで行われた第98回天皇杯全日本バスケットボール選手権大会の決勝では、琉球ゴールデンキングスを破り4年ぶり4度目の優勝を果たしている。今、もっともBリーグの頂点に近いチームだろう。

◆千葉ジェッツ新指揮官ジョン・パトリックHCが見つめる日本バスケの進化

■新指揮官からの熱い信頼

今季は、新指揮官ジョン・パトリック・ヘッドコーチを迎えた。

天皇杯でもベスト5に選出された、シューティングガード/スモールフォワードの原修太は新指揮官の下でのバスケを「ポジションレスでディフェンスができること、相手選手のサイズに関係なくディフェンスできる選手たちがいることも強み。(オフェンスも)空いたら打つというルールのもと、どこからでも選手たちがシュートを放つことが相手にとって脅威となっている」と語った。彼自身、パトリックヘッドコーチからの信頼も厚い。「空いたらどんどん打っていい」と指示され、また「オフェンスの積極性が増した」と昨シーズンまではパスをしていたシーンでもシュートを打つようになり、アテンプト数が伸びた。チームを支えながら自身も、成長をし続けている証だ。

新設された「ロックアイス・ベース」で開幕前に取材に応えたジョン・パトリックHC 撮影:SPREAD編集部

重要な局面での決定力が上がり、天皇杯の決勝でもスリーポイントシュートを4本決め勝利に貢献した。ディフェンスでも「ヘッドコーチから、1対1の場面で任せてもらえることが増え、外国籍のビックマンや上手な選手とマッチアップをさせてもらえるようになった」と手応えを感じている。パトリック・ヘッドコーチは就任直後、インタビューで千葉の選手の印象について聞いた際に真っ先に原の名を挙げ、「そこまでしなくていいよというくらい練習する選手」と目を細めていた。そんな姿勢からも信頼を勝ち取ることができたのだろう。

千葉は昨年まで、現在三遠ネオフェニックスの大野篤史ヘッドコーチが指揮を執っていた。選手層が厚いチーム、1つのミスが交代に繋がる緊張感の中でプレーをしてきた。新チームでは、「緊張感や危機感は変わらずあるが、ディフェンスをしっかりしていれば少しのシュートやドライブのミスがあったとしても出られる安心感がある」そうだ。これまでの6シーズン、厳しい練習に耐え激しいポジション争いを乗り越え培ってきた土台の上に責任感や自信が芽生え、余裕を持ってプレーができている。現チームの「適度な自由さ」が円熟味を増してきた今の原自身に合っているようだ。指揮官交代は少なからず選手たちにとって不安があった。しかし、原にとっては、いいステップアップの時期だったのだろう。

■B1リーグ最多の24連勝を記録

チームの顔である富樫勇樹(写真左)とジェッツを支える 提供:千葉ジェッツ

千葉が今シーズン達成した24連勝は、B1リーグ最多記録。昨シーズン琉球ゴールデンキングスが記録した21連勝を見事塗り替えた。24連勝は12月14日に行われた仙台89ERS戦から始まった。連勝がスタート時、「怪我人や体調不良で出られない選手がいて、いない選手の分を補うことに集中していた。ヘッドコーチからも強くなるチャレンジだ」と諭された。

連勝を重ねる中で年をまたぎ、1月21日、22日にアウェーで迎えた信州ブレイブウォリアーズ戦が転機となったと原は言う。「最後まですごく追い詰められた展開でも勝ちきることができ、これは連勝新記録を狙えるのではないか」と意識して目指すようになった。3月22日、仙台89ERSに敗れ連勝記録は止まったが、「勝ち続けると不安が募る。負けて気づくことがあり、課題が浮き彫りになりフォーカスできる」と、すぐに気持ちは切り替わった。

チーム内の雰囲気もいい。ヘッドコーチは原と同様、長く在籍する富樫勇樹や西村文男ら選手たちの声をしっかり聞き入れる。オフェンスに関しては選手の感性に任せ、自由にプレーをさせてくれる部分も多い。以前と比較すると選手間での会話が増えた。中心選手同士で相談するだけでなく、大倉颯太など怪我で離脱している若い選手からも、外から見た意見が出てくる。年齢関係なく意見が言い合える雰囲気のよさも現在の千葉の強さに繋がっている。

◆【後編】原修太がけん引する最強・千葉ジェッツふなばしは22-23シーズン初の二冠達成なるか

◆ジェッツを常勝軍団へと導いた大野篤史HCが新たに就任した三遠ネオフェニックスで築き上げるバスケとは……

◆【スポーツビジネスを読む】モンストからバスケへ 田村征也・千葉ジェッツふなばし代表取締役社長 前編 就任一年目で悲願の初優勝

■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。

《SPREAD》
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