【ボクシング】那須川天心デビュー戦でIBF世界フェザー級挑戦者決定戦に挑む阿部麗也 「仕事があっても強くなれる」を証明 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ボクシング】那須川天心デビュー戦でIBF世界フェザー級挑戦者決定戦に挑む阿部麗也 「仕事があっても強くなれる」を証明

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【ボクシング】那須川天心デビュー戦でIBF世界フェザー級挑戦者決定戦に挑む阿部麗也 「仕事があっても強くなれる」を証明
  • 【ボクシング】那須川天心デビュー戦でIBF世界フェザー級挑戦者決定戦に挑む阿部麗也 「仕事があっても強くなれる」を証明

4月8日に行われる那須川天心のデビュー戦を含むイベントで、IBF世界フェザー級挑戦者決定戦に出場する阿部麗也(KG大和)選手に独占インタビューを試みた。相手はスーパーバンタム級、フェザー級の2階級を制覇したことがあるキコ・マルチネス(スペイン)。難敵に挑む意気込みを聞いた。

◆フェザー級日本王者“天才”阿部麗也が初防衛 世界挑戦への足がかりをつかむか

■日本ボクシング協会2022年度「努力・敢闘賞」受賞

――まずは、日本ボクシング協会の2022年度「努力・敢闘賞」受賞、おめでとうございます。ありがとうございます。ほんの数人しか表彰されないなかで、井上、寺地、中谷、村田選手と並んで試合を評価してもらったことは純粋にうれしいです。今年も表彰されるように、いい試合をしたいと思います。

フェザー級日本王者、防衛に成功しリング上で安堵の表情を浮かべる阿部麗也 撮影:牧野森太郎

――さっそくですが、対戦相手のキコ・マルチネスをどんな選手と評価していますか。60戦近くやっているベテランです(44勝31KO11敗2分)。ガードを上げて距離を詰めてガンガンくるファイトスタイルは、ずっと変わっていません。そこにどう対応するかがポイントだと思います。

もう37歳で、年齢的に衰えたという人もいますけど、それは考えないようにしています。フェザー級のタイトルを取ったのは最近(2021年)ですし、直近のジョーダン・ギル戦もいい試合でした。最近、調子を上げている印象もあります。長い間、世界のトップ戦線で戦っているんですから、何かしらいいものを持っているのでしょう。体の強さも大きな武器です。

長谷川穂積戦のイメージを持っている人が多いかもしれませんが、あれは2014年です。さすがにあの頃の若さ、迫力はないと思いますが、その分、経験は積んでいるでしょう。

――どんな作戦で戦いますか。相手があのスタイルで来ることは間違いありません。それに対して、足を使ってさばこうとすると、相手のペースになってしまいます。それで12ラウンドは戦えないでしょう。相手が来るところに強いパンチを当てて、勢いを殺していきたいですね。打って動いてペースを掴みたいです。ですから、フットワークでかわすことより、しっかりと打つ練習をしています。

でも、どこかで近くなることは避けられませんから、接近戦も想定しています。そうでないと近くなったときに泡を食ってしまいますから。クリンチを使ったり、サイドに動くことも必要だと考えています。

その意味で、2019年のゲーリー・ラッセル戦が参考になります。ラッセルは、距離を長くとる戦い方でマルチネス対策に成功していました。ジャブをついて、ジャブをついて、入ってくるところに強いカウンターを当てる。マルチネスは入りづらそうにしていましたね。どうしたらいいか、戸惑っている感じでした。マルチネスが負けるときのひとつのパターンだと思います。

防衛に成功しリングを降りた後もファンから声援を受ける阿部麗也 撮影:牧野森太郎

――序盤が大切ですね。それなりのパワーがあるはずです。1ラウンドに対面してみて、こっちのパンチで止まってくれるのか、まず確かめたいですね。序盤で距離を詰められないように、うまく試合をコントロールしたいです。

■那須川天心戦は、与那覇のボクサーの意地に期待

過去に対戦した選手では、細野悟(大橋)さんに似ています。実は、出てくるタイプは嫌いじゃないんです。入ってくるところにカウンターとジャブを当てる戦い方は得意で、戦いやすいと感じています。十分に戦えるイメージを持っています。

――阿部選手はフルタイムで仕事をするサラリーマンボクサーとしても知られています。今回も試合直前まで仕事をするんですか。はい、します(笑)。土曜が試合で、金曜が計量です。木曜は休みをもらっていますが、水曜までは通常どおり仕事をします。普通の人と同じように仕事をしていても、ボクシングが強くなれることをみてもらいたいです。

――最後に、同じ興行に出場する那須川天心選手について、どういう印象をお持ちですか。速いし、正統派のボクシングをしますね。カウンターの当て勘もあります。相手の与那覇勇気選手は日本タイトルの挑戦権を戦ったこともある実力者ですから、面白い試合になると思います。与那覇選手は変則的でトリッキーな動きをしますから、天心がデビュー戦ということで硬くなると、出どころがわからないパンチをもらう可能性があります。個人的には、与那覇選手にボクサーの意地をみせてほしいと思っています。

◆フェザー級日本王者“天才”阿部麗也 「世界に繋がる試合をしたい」と防衛戦に挑む

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。

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