【日本代表】覚醒の「NEXT三笘薫」 初招集の22歳中村敬斗は“第2期森保ジャパン”に何をもたらすか | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【日本代表】覚醒の「NEXT三笘薫」 初招集の22歳中村敬斗は“第2期森保ジャパン”に何をもたらすか

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【日本代表】覚醒の「NEXT三笘薫」 初招集の22歳中村敬斗は“第2期森保ジャパン”に何をもたらすか
  • 【日本代表】覚醒の「NEXT三笘薫」 初招集の22歳中村敬斗は“第2期森保ジャパン”に何をもたらすか

昨年末のFIFAワールドカップ2022カタール大会で世界を震撼させた、サッカー日本代表。優勝経験国であるドイツ代表とスペイン代表を下す戦いぶりは、日本中を熱狂の渦へと巻き込んだ。

FIFAランキングも20位へと浮上した日本代表が、W杯後初となる強化試合を国内で戦う。南米の強豪2カ国が相手となる「キリンチャレンジカップ2023」で3月24日にウルグアイ代表(FIFAランク16位、国立競技場)、同28日にはコロンビア代表(同17位、ヨドコウ桜スタジアム)と対戦する。

◆レアル・ソシエダが今夏、中村敬斗の獲得も検討中とスペイン現地紙 久保建英に続く日本人選手誕生か

■リバプールからも興味の中村敬斗

森保一監督の続投が発表され、15日にはその第2章の初陣となるメンバーが発表された。カタールW杯に招集された26人から主将を務めたDF吉田麻也(シャルケ)らベテランが外れ、来年のパリ五輪出場を目指すU22日本代表世代からDF半田陸(ガンバ大阪)、バングーナガンデ佳史扶(FC東京)らが初招集。Jリーグで好調をアピールする選手が多く抜擢された中、海外組で唯一の初招集となったのが、オーストリアでプレーする22歳のFW中村敬斗(LASKリンツ)だ。

今季も終盤を迎える欧州サッカーの舞台で、ここまで国内外の公式戦25試合出場14ゴール7アシストと大ブレイク。イングランドの名門リバプールも調査を開始した、とされる。現地メディア『Liverpool.com』は「NEXT三笘薫」と題し、中村の活躍に注目している。

現在、イングランド・プレミアリーグのブライトンでプレーする日本代表MF三笘薫。19日のFAカップ準々決勝・グリムズビー・タウンFC(実質4部相当)戦でもゴールを挙げ、公式戦27試合出場9ゴール6アシスト。飛ぶ鳥を落とす勢いの三笘に欧州中のビッグクラブからのオファーが殺到、と国内外のメディアで連日報道されているが、その三笘獲得を現実的に考えているとされるのがリバプールだ。ただ、5月に26歳となる三笘よりも4歳若い中村への関心も強まっているのだ。

中村はガンバ大阪に所属していた2019年の夏、オランダ1部のトゥウェンテへ期限付き移籍。渡欧後はオランダやベルギー1部のシントトロイデンで出場機会が限られ、2020-2021シーズン後半からはオーストリア2部のFCジュニアーズでプレーする下積み期間も経験。そこから約半年間で国内リーグ14試合出場5ゴールと結果を残した。ここまでは全てG大阪からの期限付き移籍だったが、2021年夏に現在所属する古豪リンツに完全移籍。腰を据えて結果を残す環境が出来上がったことが、今季の大ブレイクに繋がっている。

■三笘はドリブラー、中村はフィニッシャー

ブライトンの日本代表MF三笘薫(C) Getty Images

中村敬斗がにわかに日本で注目を集めたのは、2017年の「FIFA U17ワールドカップ」。インドで開催された大会で、中村は初戦のホンジュラス代表戦でハットトリックを記録するなど大会を通して4ゴール。飛び級昇格でプレーしていた現日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)に注目が集まっていたが、このチームのエースは中村だった。

そして、同大会の決勝トーナメント1回戦、彼らは大会を制覇することになるイングランド代表と対戦。MFフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)やFWハドソン・オドイ(レバークーゼン)、日本戦はクラブ事情で欠場したFWジェイドン・サンチョ(マンチェスター・ユナイテッド)らを擁する世界の猛者たちと互角に渡り合ったが、スコアレスで迎えたPK戦で惜敗。中村はこの試合を機に“世界”を強く意識し始めた。

現在は左サイドを主戦場に変えた中村だが、当時のU17日本代表では[4-4-2]システムの右サイドハーフを務めていた。2トップの1角として前線でボールを収め続けた久保を追い越し、パスを引き出したのが、右サイドの中村だった。自らドリブルでも切れ込んでゴールを狙う姿は、「海外向き」と表現可能なスケールの大きさを感じさせた。日本代表でポジション争いが注目される三笘は左サイド専門。両サイドでプレーできることは、代表で立ち位置を築くにはプラス材料となる。

また、三笘や伊東純也(スタッド・ランス)はドリブラーであり、チャンスメイカー色が強いが、中村はどのポジションで起用されてもゴールから逆算した動きを得意とするフィニッシャーだ。同じく右サイドを主戦場にするMF堂安律(フライブルク)はプレイメイカー(司令塔)色が強いため、中村は日本代表の他の攻撃陣とは異なるプレースタイルをもつ。

三菱養和SCから高校3年生になるタイミングでG大阪に加入して1年半の在籍とはいえ、J1通算24試合1得点2アシスト、J3通算21試合5ゴール4アシスト。決してJリーグで活躍できたとは言えない中村だが、4年前の「第1期・森保ジャパン」にて10番を背負った中島翔哉(アンタルヤスポル、J1通算51試合6ゴール4アシスト、J2通算57試合8ゴール4アシスト、J3通算10試合0ゴール2アシスト)もそれに相当する。

「第2期・森保ジャパン」の初陣は、「海外向き」で類まれなプレースタイルをもつ、中村敬斗に目を凝らしたい。

◆ブライトンで躍動する“日本のジョーカー” 三笘薫  2022-23シーズン全ゴール集

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◆久保建英が今季5ゴール目、「このチームならできる」とチャンピオンズ・リーグ進出へ前進

文●新垣博之(しんがき・ひろゆき)

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