【ラ・リーガ】久保建英、古巣レアル・マドリードとの上位対決は試金石 求められる新たな“ラ・レアルの王”としての輝き | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ラ・リーガ】久保建英、古巣レアル・マドリードとの上位対決は試金石 求められる新たな“ラ・レアルの王”としての輝き

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【ラ・リーガ】久保建英、古巣レアル・マドリードとの上位対決は試金石 求められる新たな“ラ・レアルの王”としての輝き
  • 【ラ・リーガ】久保建英、古巣レアル・マドリードとの上位対決は試金石 求められる新たな“ラ・レアルの王”としての輝き

スペインのラ・リーガは現地時間29日(日本時間30日)、第19節で日本代表MF久保建英が所属するレアル・ソシエダは、レアル・マドリードと対戦する。

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■バルセロナ戦でも躍動

3位と好調を維持するレアル・ソシエダは25日(同26日)に行われたバルセロナとのコパ・デル・レイ(国王杯)では0-1で敗れたものの、それまでは公式戦で9連勝。ラ・リーガでも第14節のセビージャ戦から5連勝と安定した戦いを見せており、イマノル・アルグアシル監督のもと成熟を見せるチームは、2012-13シーズン以来となる4位以内でのフィニッシュと来季の欧州チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を視界に捉える。

そんなチームにおいて今季レアル・マドリードから完全移籍で加入した久保は、開幕からレギュラーの座をつかみ、2トップの一角、またはトップ下として躍動。規律を重要視するアルグアシル監督のもと課題とされてきた守備面で改善の兆しが見られ、前線での激しいプレッシングや局面での1対1など、ウィークポイントの克服によって、指揮官からの信頼を掴んだ印象がある。

さらに、持ち味である攻撃面では3得点2アシストとキャリアハイを更新する勢いで数字を積み重ねる。スタメンに抜擢された開幕戦のカディス戦での決勝ゴールや、主役となった“バスクダービー”でのゴールなど、重要な局面での活躍が久保への信頼を後押しする。トップ下で先発した国王杯のバルセロナ戦でもクロスバー直撃のシュートを放ち、左サイドから決定的なパスを供給するなど、その姿は自信に満ち溢れていた。

■シルバに代わりトップ下が濃厚

レアル・ソシエダが対峙するのは昨季の王者であるレアル・マドリードで、久保にとっては2019年からローン期間も含めれば4シーズン在籍した古巣との一戦となる。外国人枠の関係や、世界有数のアタッカーがそろうこともありレアルの一員としてシーズンを戦うことはなかったが、レアル・ソシエダという居場所を見つけ、存在感を高め向かうこの試合へのモチベーションは高いものがあるだろう。

そんな久保をスペイン紙『マルカ』や英メディア『90min』など欧州メディアはスタメン予想としている。今季主にトップ下を務めていた元スペイン代表MFダビド・シルバが故障で直近のバルセロナ戦を欠場しており、スペイン代表FWミケル・オヤルサバルか久保のどちらかがトップ下に入ることが濃厚。元ドイツ代表MFトニ・クロースやクロアチア代表MFルカ・モドリッチなど、百戦錬磨のベテランたちが日本代表MFを待ち受ける。

そんな中でもレアル・ソシエダの技術や一人ひとりの選手のクオリティはレアル・マドリードと比較しても低くはない。また、スペイン王者はエースのカリム・ベンゼマや、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールの個の突破を活かしたカウンターを得意としており、レアル・ソシエダがボールを握る時間帯も出てくるだろう。その中で中心として攻撃を司る役割が久保には求められる。

■レアル戦はここまでノーゴール

久保は2019-20シーズンからレンタルでプレーしてきたマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ時代にリーグ戦でレアル6度の対戦があったがノーゴール。個の力で輝きを見せる場面も見られたが、チームの総合力で劣るチームの中で久保の存在感が薄まり、チームとして守勢に回る時間が増えることによって、持ち味が発揮できなかった試合も少なくなかった。

そんな久保にとってレアル・ソシエダの一員として初対戦となるレアル・マドリードとの大一番は、自らの活きる環境を手に入れて挑めるというメリットがある。その反面、言い訳が許されない環境という見方もできる。ラ・リーガでのプレーも4年目を迎え、今年の6月には22歳を迎える久保が自分の殻を破り切り、次のステージへ進んでいくためにも、このビッグマッチでの活躍はキャリアを積み上げていく上での試金石となる。

レアル・ソシエダの中心選手としてレアル・マドリードと顔を合わせることになった久保。攻守において成長の跡を見せ、充実の時を過ごすレフティーが古巣との上位対決という大一番でどのようなインパクトを放つのか。新たな“ラ・レアルの王”として攻撃のタクトを振るうことができるのか注目が集まる。

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文●井本佳孝(SPREAD編集部)

《SPREAD》
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