【リーグワン】交流戦スタートへ、埼玉パナソニックワイルドナイツの快走を止めるチームはどこだ… 後半戦展望 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【リーグワン】交流戦スタートへ、埼玉パナソニックワイルドナイツの快走を止めるチームはどこだ… 後半戦展望

新着 ビジネス
【リーグワン】交流戦スタートへ、埼玉パナソニックワイルドナイツの快走を止めるチームはどこだ… 後半戦展望
  • 【リーグワン】交流戦スタートへ、埼玉パナソニックワイルドナイツの快走を止めるチームはどこだ… 後半戦展望

昨年12月17日に開幕したラグビーのリーグワンは第5節を終え、カンファレンス内の総当たり1回戦が終了した。1月28日からは、交流戦がスタートする。ここまでの好調チーム、注目選手を整理してみよう。

◆ワールドカップ・シーズンが開幕へ 全100試合、注目選手と優勝争い

12チーム中、唯一の全勝でトップを走るのが埼玉パナソニックワイルドナイツ。開幕戦の東芝ブレイブルーパス東京戦(22-19)など辛勝の試合もあるが、点差以上に強さは際立っている。なんといっても選手層が厚い。主力を休ませながら戦力をキープできるのは、このチームだけだ。

その象徴がスタンドオフのポジション。日本代表の松田力也が復帰し、同じく代表の山沢拓也と交互に使う余裕がある。また、SO松田、FB山沢という起用もあった。疲れが溜まる後半戦には、ますます有利になるだろう。新加入した南アフリカ代表、ルード・デヤハー(LO)もチームにフィットしている。死角は見当たらない。

■ダイナボアーズがディビジョン2、3位からの下剋上

緑の旋風を巻き起こしているのが、三菱重工相模原ダイナボアーズだ。第1節でリコーブラックラムズ東京を34-8で下して勢いに乗った。ワイルドナイツには力負けしたものの、3勝1敗1分で5位につけている。昨シーズン、ディビジョン2の3位だったチームとは思えない大躍進だ。

スカパー解説の村上晃一さんは、「なんで強くなったんですか、とよく聞かれるんですけど分からないんですよ」と苦笑する。代表キャップを持つ選手がほとんどいないチームの強みは、一丸となったディフェンス力だ。その象徴といえるプレーが、トヨタヴェルブリッツ戦の80分過ぎ。あわや逆転のピンチでエピネリ・ウルイヴァイティ(LO)のジャッカルが決まり、27-25で競り勝った。

グレン・ディレーニーHCは試合後のインタビューで、「これが三菱のDNA。最後のプレーまで勝とうと努力し続けるところは150年前にスタートしたハードワークの意識」と胸を張った。

第4節では長い歴史の中で初めて東芝ブレイブルーパスから勝利をあげ、第5節の静岡ブルーレブズ戦は終了4分前まで8点差で負けていた試合を信じられない粘り腰で引き分けに持ち込んだ。4位の横浜キャノンイーグルスとのポイント差は1。プレーオフ進出も夢ではない。

■得点力のあるスピアーズ、サンゴリアスが猛追する

 松島幸太朗 (c)Getty Images

4勝1分、勝ち点差1でワイルドナイツを追うのが、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ。立命大出身のルーキー、木田晴斗(WTB)が6トライとブレークした。昨年、新人王を獲得した根塚洸雅も好調をキープ、生きのいい両ウイングの活躍で得点はリーグトップを走る。交流戦でワイルドナイツを破れば、首位も見えてくる。3月4日の激突は見逃せない。

初戦のスピアーズ戦を18-31で落とした東京サントリーサンゴリアスは、その後立て直して3位につける。テビタ・タタフ(NO8)、齋藤直人(SH)、アーロン・クルーデン(SO)、中村亮土、中野将伍(ともにCTB)、松島幸太朗(FB)と、メンバーはオールスター級。後半も取りこぼしは考えづらい。首位争いに加わるかが見どころだ。

■コロインベテ、デクラーク、田村、尾崎が躍動する

横浜に加入した南アフリカ代表のファフ・デクラーク(C)Getty Images

もっともインパクトがあった選手は、ワイルドナイツのマリカ・コロインベテ(WTB)だ。トップスピードに達するのが早く、ディフェンスをなぎ倒して突破する迫力は異次元だ。フランカーに入る器用さも披露し、ポテンシャルの高さを見せつけた。

横浜キヤノンイーグルスに加入した今シーズンの目玉、ファフ・デ・クラークも期待どおりの活躍を見せている。相手の一瞬の隙を突くラグビーセンスは超一流。そして、何より金髪をなびかせて走り回る姿がカッコいい。後半も縦横無尽に走り回る姿が見られるだろう。

最後に個人記録もチェックしよう。現在の得点王は、67得点を上げたイーグルスの田村優(SO)。全盛期のキレを完全に取り戻し、代表復帰もほのめかせている。ジャパンの10番争いがますます混沌としそうだ。トライ王はサンゴリアスの尾﨑晟也(FB)。毎試合の10トライは立派だ。以下、イーグルスのアマナキ・レレイ・マフィ(NO8)、木田が続く。こちらも行方が楽しみだ。

◆【スポーツビジネスを読む】日本ラグビーフットボール協会谷口真由美・元理事 “起” 聖地・花園ラグビー場で育った娘

◆2023年シーズンの目玉は南ア代表、ファフ・デクラークで決まり!

◆【スポーツビジネスを読む】ラグビー新リーグで世界一のクラブを目指す 静岡ブルーレヴズ山谷拓志代表取締役社長 前編 シーガルズで学んだ日本一の組織作り

著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。

《SPREAD》
page top