【カタールW杯】日本代表、決勝T進出を懸けた運命のスペイン戦 金星奪取に求められる攻守のキーマンと森保采配 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【カタールW杯】日本代表、決勝T進出を懸けた運命のスペイン戦 金星奪取に求められる攻守のキーマンと森保采配

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【カタールW杯】日本代表、決勝T進出を懸けた運命のスペイン戦 金星奪取に求められる攻守のキーマンと森保采配
  • 【カタールW杯】日本代表、決勝T進出を懸けた運命のスペイン戦 金星奪取に求められる攻守のキーマンと森保采配

サッカー日本代表は、日本時間12月2日に行われるFIFAワールドカップカタール2022・グループE第3節でFIFAランキング7位のスペインと対戦する。

初戦でドイツ相手に劇的な逆転勝ちを収める好スタートを切ったが、2戦目ではコスタリカの堅守を崩せず0-1で零敗。1勝1敗で迎えるスペインとの一戦は敗北が許されない戦いとなる。

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■焦点となる選手のコンディション

最終節のスペイン戦で日本は勝てば自力でのグループステージ突破が決まり、引き分けならドイツ対コスタリカの試合に左右され、敗れればその時点で敗退が決まる。森保一監督がいきなり引き分けを狙うとは考えにくく、また狙って勝ち点1を取れるほどスペインは甘くない。まずはスペイン相手に勝ち点3を取りにいく選択をするはずだ。

焦点となるのが先発の人選とシステム変更が見られるかについて。森保監督は初戦、第2戦ともに[4-2-3-1]の布陣でスタートし、相手のプレスがハマらず押し込まれたドイツ戦、最終ラインを5枚で後ろにブロックを敷いてきたコスタリカ戦ともに、試合途中で[3-4-2-1]に変更。状況に応じた布陣の変更はスペイン戦でも選択肢として出てくるだろう。

気になるのが消耗を強いられてきた選手の状態で、ここまで中盤でのデュエルなどで貢献してきた遠藤航がコスタリカ戦で右のひざを痛め、スペイン戦は欠場が濃厚。また、ドイツ戦で太もも裏の違和感で途中交代した酒井宏樹も出場は難しいとみられる。その中で2戦目の出場を回避した冨安健洋が練習復帰したという一報は日本にとって心強いニュースで、森保監督が日本の守備におけるキーマンをどう起用するかはスペインを相手にした中でカギを握ってくる。

■右SBには回復が見込まれる冨安を抜擢

初戦と同様に相手にボールを握られる展開が予想されるスペイン戦のベースとなり得るのはドイツ戦のメンバーだろう。コスタリカ戦に途中出場、または出番なしに終わった伊東純也、久保建英、前田大然などはスターティングメンバーの11人に入ってくるのではないか。また、遠藤が欠場濃厚のボランチには同じくドイツ戦で先発に名を連ねた田中碧が入り、川崎フロンターレ時代の同僚でもある守田英正とコンビを組むと思われる。

また、酒井が1番手を務めてきた右SBの人選も森保監督にとっては悩ましいところだろう。2戦目のコスタリカ戦では山根視来がスタメン出場し後半17分までプレーした。これまで左SBを務めてきた長友佑都を右に回すという選択肢も考えられるが、回復が見込まれる冨安をアーセナルでプレーする右SB起用で抜擢するプランを推す。冨安、板倉、吉田の3枚が並ぶことにより、試合途中で3バック変更も可能になる。ドイツ戦で安定感をもたらした冨安の堅実な守備力と後方からの配給は日本の武器となるはずだ。

また、初戦、2戦目と途中交代で起用され、“日本のジョーカー”として存在感を示した三笘は先発待望論も膨らむが、後半からの切り札としてベンチ待機するのではないか。森保監督は90分のトータルから逆算した選手起用で前半相手の攻撃を耐えきっての後半勝負という傾向がこれまでも見られ、ドイツ戦で結果を残した堂安律や浅野拓磨、南野拓実らとともに、後半のための勝負の一手として三笘は温存するのではないか。

■ドイツ戦同様求められる粘り強い戦い

日本はスペイン戦で敗れればドイツ対コスタリカの結果に関わらず敗退が決まるため、避けたいシチュエーションが前半の早い段階での失点。スペインは初戦7-0で圧倒したコスタリカ戦に続き、ドイツ戦でも1-1で引き分けたものの、ボールを支配し自分たちの試合でゲームを進めた。日本にとっては前半に圧倒され、戦術変更を余儀なくされたドイツ戦以上に、前半45分の試合の進め方がカギを握ってくるといえる。

スコアレスのまま前半を耐え忍べば、後半に三笘や堂安といったゴールに絡める選手の投入で日本の時間が出てくる可能性はある。スペインの圧倒的なポゼッションサッカーは今大会屈指の脅威を誇るが、日本はそこを裏返してのカウンターで少ないチャンスを決め切れるか。ドイツ戦でも見られた最少失点で切り抜けての粘り強い戦いと、ここ一番での決定力が勝ち点奪取に向けは求められる。

その中で奮起を求められるのが左サイドでの先発が予想されるMF久保建英

名門バルセロナの下部組織で育ち、日本でのプレーを経て2019年に再びスペインに渡り約3シーズン半を過ごしてきた。日本で誰よりもスペインサッカーを熟知する21歳は、W杯デビューとなったドイツ戦で無念のハーフタイム交代となった。初戦のリベンジと、日ごろからマッチアップしてきたスペイン選手との戦いにおいて、このレフティーの爆発に期待したい。

■全4チームに残されたGS突破の可能性

日本は初戦でドイツ相手に金星となる劇的な逆転勝利を収めながら、2戦目のコスタリカ戦では後ろにブロックを敷いた相手に苦戦し、ミスも重なって敗れた。全4チームにグループステージ突破の可能性が残された中で迎えるスペインとの一戦は、ドイツ戦の勝利で期待が高まった日本サッカーの今後や、世界トップクラスに対しての現在地を知る上でも、重要な意味合いを持つ一戦となる。

負ければ敗退が決まる状況で、森保監督に率いられた選手たちがどのような戦い方を見せるのか。先発、ベンチメンバー含めた総力戦で強豪スペイン相手の金星を再び狙う。

■日本のスペイン戦予想先発メンバー

GK権田修一(清水エスパルス)DF冨安健洋(アーセナル)吉田麻也(シャルケ)板倉滉(ボルシアMG)長友佑都(FC東京)MF田中碧(デュッセルドルフ)守田英正(スポルティングCP)伊東純也(スタッド・ランス)鎌田大地(フランクフルト)久保建英(レアル・ソシエダ)FW前田大然(セルティック)

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文●井本佳孝(SPREAD編集部)

《SPREAD》
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