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ネバダ州ラスベガスで8日(日本時間9日)から行われるオフシーズン恒例のGMミーティング。その開始前日、ロサンゼルス・エンゼルスのペリー・ミナシアンGMがメディア取材に対応し、「オオタニはトレードしない」と明言。噂されている大谷翔平の移籍について真っ向から否定した。米メディアが大々的に報じている。
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■「ここで一緒に開幕を迎える」
現地では7日(日本時間8日)に発表された「大谷、ア・リーグMVP最終候補入り」や「大谷、サイ・ヤング賞受賞ならず」といったニュースよりも大きく報道されているようだ。
それほどのインパクトを放ったのが、ミナシアンGMの発言。米複数メディアが伝えるところによると、同GMは「オオタニは移籍しない。彼はここにいて我々と開幕を一緒に迎える。色々な噂があったことは知っているが、彼はチームの一員だ。以前にも言ったと思うが、もう一度言う。我々は彼を愛しているし、彼にここで長くプレーしてもらうことが、我々の目標だ」と力強く語ったという。
この発言を受けて、米地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』のサラ・バレンズエラ記者が「ペリー・ミナシアンGMによると、ショウヘイ・オオタニの今オフの移籍/トレードは一切行われず、彼はエンゼルスで2023年シーズンをスタートさせるという」とツイートすると、瞬く間に拡散し、各メディアも“大谷のトレード消滅”を速報した。
■球団売却で不透明感が増す
GMが明言したことで、トレード話は沈静化に向かうのか。
米地元紙『オレンジ・カウンティ・レジスター』は、「エンゼルスが2023年シーズン中にオオタニをトレードする可能性は十分に残されている」と指摘。アルテ・モレノ・オーナーが球団売却に動いていることで問題は複雑化しており、同紙によると、実はミナシアンGMも「どのような状況になるか分からない。オオタニのチーム残留を決めるのは私だけではない」と認めているという。さらに同GMは「私はあくまでも推薦する立場。最終的には経営陣の判断だ。もちろん、(オオタニを移籍させないという)考えは、みんな同じだと思う」と述べ、先ほどの「オオタニは移籍しない」発言から、最後はややトーンダウンした。
■ファン・ソトのトレードが示すもの
確かにGMのコメントを紐解けば、大谷が開幕ロースターに名を連ねることは明言しつつも、夏の移籍期限までにトレードが行われる可能性は否定していない。MLB公式サイトも「ミナシアンはエンゼルスがオオタニをトレードするつもりはないと言ったが、彼がトレードされる可能性は常にある。ワシントン・ナショナルズのマイク・リゾGMは今年6月1日、我々はフアン・ソトをトレードしないと言ったが、チームはその後すぐに夏のトレードデッドラインで彼を6人の選手と交換し、サンディエゴ・パドレスへ移籍させた」と記し、今回のGM発言にも懐疑的な目を向けた。
今オフに実行されなくても来夏までにはトレード濃厚。では、近い将来に移籍があるのなら、今オフに前倒しされてもおかしくない。その解釈が成り立つ間は、大谷を巡る噂が収まることはないだろう。
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文●SPREAD編集部