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ニューヨーク・ヤンキースとヒューストン・アストロズによるア・リーグ優勝決定シリーズ第4戦が23日(日本時間24日)、ニューヨークのヤンキースタジアムで行われた。試合はヤンキースがアストロズに5-6で逆転負けを喫し、同シリーズ0勝4敗で敗退。ワールドシリーズ(WS)進出を逃した。WSはフィラデルフィア・フィリーズ(ナ・リーグ東地区)とアストロズ(ア・リーグ西地区)の激突となり、現地時間28日(同29日)からスタートするが、米メディアの注目は、今季終了後にフリーエージェント(FA)となるヤンキースの主砲アーロン・ジャッジの去就に集まっている。
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■主砲の不振が響き4連敗
流れはヤンキースに傾いていたが、守乱でリズムが狂った。ヤンキースが5-4とリードして迎えた7回1死一塁。平凡な二ゴロが飛ぶと、二塁手のグレイバー・トーレスは「4-6-3」の併殺を狙ったが、遊撃手アイザイア・カイナーファレファへのトスは悪送球(記録はトーレスの失策)となり、併殺どころか1つのアウトも取れずに1死一、二塁とピンチが広がった。すると、後続に連続適時打を浴び逆転を許した。
このプレーについては、米紙『ニューヨーク・タイムズ』のジェームズ・ワグナー記者も「トーレスの送球が大きく外れ、この回が終了となるはずのダブルプレーを取れず、大きなミスとなった」と嘆いた。これで勢いを失ったチームは、7回以降得点を奪えずゲーム終了。アストロズの歓喜をベンチから眺めるしかなかった。
痛恨のミスが勝敗を分けたことは間違いないが、敗退の要因は主砲ジャッジの不振。今季はリーグ新記録となる62本塁打を放ち、131打点、打率.311と歴史的なシーズンを過ごしたが、ポストシーズンに入ると沈黙。9戦2発で、打率に至っては1割台に落ち込んだ。この試合でも投ゴロで最終打者となり、すっかり“戦犯”扱い。ファンからはブーイングも飛び、MVP最有力候補としては後味の悪いシーズン終幕となってしまった。
■「どうなるかは分からない」
WS進出を逃したことで、今後の焦点はオフにFAとなるジャッジの去就に移った。
米スポーツサイト『FAN NATION』は「アーロン・ジャッジは、日曜日がニューヨーク・ヤンキースでの最後の試合となったかもしれない」という見出しを掲げ、記事を公開。「ジャッジにはロサンゼルス・ドジャース、サンフランシスコ・ジャイアンツ、セントルイス・カージナルスが言い寄るだろう。シアトル・マリナーズも西海岸に連れ戻すために動くはず。そして、ニューヨーク・メッツも彼をビッグアップルに留めるために誘うだろう」と記した。そのほか、AP通信は「ジャッジとアーロン・ブーン、ヤンキースでの将来は不透明」と伝え、指揮官の動向にも注目した。
ジャッジ自身は、ピンストライプのユニフォームを着る喜びを口にしつつも「この先どうなるかは分からない。まだ何も考えていない。これから家族やエージェントと話をする」と答えたという。ヤンキース敗退が決まったことで、ストーブリーグが本格化しそうだ。
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文●SPREAD編集部